「ルーカス・ウォーズ」の感想の前に、スター・ウォーズの思い出と「ジョージルーカスVSピープル」
感想は、ぶらっくうっどが書いてます、よろしくお願いします。
コミック「ルーカス・ウォーズ」の感想が長すぎて、妻に記事を2分割されました。
SWの感想が長かったので、2分割しました・・・
とうわけで、スター・ウォーズの感想から。映画の内容には触れてますので、ネタバレひとつもしたくない人は、ご注意ください
・この記事は、5分程度で読めます
スタ・ウォーズの映画公開順
- スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望(1977)
- スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲(1980)
- スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの復讐(現在は「ジェダイの帰還」)(1983)
- スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス(1999)
- スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(2002)
- スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005)
- スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒(2015)
- スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ(2017)
- スター・ウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け(2019)
※( )はアメリカ公開年です
永く続いてるシリーズなので、観る順番で論争が起こる、ややこしいシリーズですよね・・・エピソード1〜3が、プリクエル(前日譚)として後に公開されました。
重要なネタバレを考えると、公開順で見た方が良い・・・?この時代に、ネタバレ回避は、もうムリかもしれませんね・・・
私たちは、SW(スターウォーズ)Ep4・5・6、Ep1・2・3、Ep7・8・9と、Ep4〜6はTVで再放送でしたが、公開順に観れている世代です。
エピソード4をTVで観た衝撃!!
Ep4がアメリカ公開が1977年!
日本公開が1979年!けっこう古い
アメリカ公開が1977年というのですから驚きの古さです。
日本公開が1979年。
一応私は生まれてはいますが、物心ついていない時期なのでまったく記憶にありません。
最初に見たのもTVでした。
当時のTVは、映画の再放送が多かった!
その頃はサブスク配信どころか「地上波以外のTVチャンネル」が絶無の頃なので、本当に地上波ではしょっちゅう「映画」が放送されていたんです。
今じゃお馴染み「午後ロー」(午後のロードショー)以外ですと、金曜日の「金ロー」(日テレ)、土曜日の「土曜プレミアム」(フジテレビ。旧「ゴールデン洋画劇場」)くらいしかやってませんが、かつては「毎日」どこかで映画がゴールデンタイムには流れていました。
月~日まで「〇曜日×△劇場」みたいな感じで。
私が高校生のころまでは普通に「平日の夜七時半~九時」に「13日の金曜日・完結編」とかやってましたから(本当)。
今じゃ深夜でもド派手に血が噴き出す様なスプラッタ映画なんて地上波じゃ流せないでしょうに、「まだ夕食時」に首を書き切られたり、串刺しにされてドバドバ血が出るような映画放送してたんです。いやマジで。
しかもタチが悪いことに、「予告編」は一日中流れます。
時間問わず映像を流しちゃうの、昭和ですねー
まだまだそういうのに弱かった私は、夕方に放送されていた「ドラえもん」の間に入って来た「アリゲーター」で血しぶきを上げながらむしゃむしゃ食われるおばちゃんの脚のビジュアルに泣きそうになったもんです。
閑話休題。
Ep4を観た衝撃!!(当時6〜7歳くらい?)
忘れもしない日曜日のお昼に放送していた「スター・ウォーズ」を鑑賞し終わった私は、ルークとハン・ソロが勲章を掛けてもらって(なぜかチューバッカは掛けてもらえない)、ドヤ顔をした後あの高らかに鳴り響くエンディング・テーマが流れ出した瞬間に、訳の分からないことを叫びながら家を飛び出して行き、近所の公園の草むらでゴロゴロと転げ回って必死に興奮を抑えました。
それくらい面白かったのです。
そして、それは恐らく全世界の少年少女の多くが体験したことだったのです。
(ちなみにこの時の吹き替え版を未だに探しています。ハン・ソロを声優の「麦人」さんが演じたバージョンで、公式には勿論、Wikiにもこのバージョンのデータは掲載されていません。家のどこかにはVHSテープがあると思うのですが未だに発見できていません。どなたか持ってませんか?)
麦人さんがハン・ソロの声をしてるバージョン、誰か知ってたら教えてください・・・
そんなことをしている間に、アメリカを中心とした「世界」においては「スター・ウォーズ」シリーズの「神格化」は留まるところを知らないほどに肥大化し続け、今や「スター・ウォーズ産業」といえるところまでに至っていました。
「スター・ウォーズ産業」
「グッズ売り上げ」の権利の方を選んだジョージ・ルーカス
ジョージ・ルーカスがそれほど多くの「監督」による報酬を望まない代わりに「グッズ売り上げ」の権利の方を選んだことは「スター・ウォーズ」ファンの基礎知識みたいなものです。
何しろ当時は「映画グッズ」などという存在そのものが認知されていませんでした。
あれだけの歴史的大ヒットになったにもかかわらず、FOXの上層部は「映画音楽を集めたサントラレコード」やら「小説版」という、ほぼノーコストでリリースできる「グッズ」の販売にすら難色を示していたほどです。
どちらも発売されるやいなや大ヒットしたのは言うまでもありません。
それでもまだ「映画グッズ」にはニーズがあると思われていませんでした。
「スター・ウォーズ」とプリントされたTシャツがちょっと売れるくらいで、話題はすぐに次の映画へと切り替わると思われていたみたいです。
だから「グッズ売り上げの権利」を欲しがったルーカスに「なんでそんなもの欲しがるのか?」と二束三文で売り渡してしまいます。
「文房具屋の跡取り」だったルーカスは「人は愛着のあるものに関するグッズは欲しくなるものだ」という「感覚」があったのかもしれません。
その後、「スター・ウォーズ」グッズは劇中に登場するあらゆるキャラクターのフィギュアが発売され大ヒットするのみならず、ブリスターケースから出さないままでコレクターが奪い合う「市場」が確立するに至ります。
それこそ「ロットの違いで、手が開いている・いない」とかで何万ドル違いになる世界です(本当)。
シリーズ2作目を作るにあたり「世界観」をしっかり設定したことで、「商品のバラエティ」も猛烈に広がります。
この頃の少年たちがどれだけ「スター・ウォーズグッズ」に囲まれて育っていたかはスピルバーグの映画「ポルターガイスト」に少し映っています。
めいめいあちこちで勝手に(?)「アメコミ」にもされます。
「ジャバ・ザ・ハット」が主役のコミックなんてのは序の口で、ウェッジが主役のコミックなんかもありました。
にわか(?)スター・ウォーズファンだと「ハン・ソロやレイア姫は知ってるけど、「ウェッジ」って誰?」と思うでしょう。
「スター・ウォーズ」の終盤、デス・スターに突入する際に機体が壊れて引き返した奴です。
こういうと余りのバカバカしさに爆笑する人もいるでしょうが、ウェッジはスター・ウォーズ世界ではかなりメジャーな部類に属する登場人物です。
ちなみに「小説版」も大量に存在します。
その中では「レイアとハン・ソロの息子」が活躍するものもあったとか。
え?それはホッカイロレン…じゃなくてカイロ・レンじゃないの?…と思うかもしれませんがどうも違うみたいですね。
これら大量の「小説版」に関してはルーカスもノータッチで全くどんなストーリーかも知らないそうです。
ただ、エピソード7以降には全てではないながら一部設定が流用されているとかでそれもまた話をややこしくしているのですが…閑話休題。
「プリクウェル(前日談)」
こうしてルーカス本人もあずかり知らないところで勝手に肥大化を続けた「スター・ウォーズ」シリーズの世界観。
当のルーカスは「なんでこんなに受けるのか」が全く分からなかったそうです。
何しろ「帝国の逆襲」にちらっと登場しただけの「ボバ・フェット」が、その超絶格好いい見た目からか凄まじい人気を誇り、「ジェダイの復讐」公開前には「一体どんな活躍をしてくれるのか!?」との期待が限界まで高まっていたそうです。
ところが「ジェダイの復讐」では「え?今ボバ死んだの?」というほどあっさり死んでしまいます。ルーカスにボバ・フェットへの愛着も何もなく、「単なるよくいるモブキャラ」程度に考えていたのは明らかでした。
そんなこんなありつつも、遂に「新作」たる「エピソード1」を筆頭に「プリクウェル」三部作が公開になります。
ピープル対ジョージ・ルーカス
この時の顛末は映画「ピープル対ジョージ・ルーカス」に活写されているので、興味のある方は絶対に観てください。
下手をすると
「ルーカスは「スター・ウォーズ」のことを何も分かってない!熱烈ファンであるオレの構想を聞けけええ!!」
みたいなやつが100人くらい熱く語りまくる映画です(本当)。
中にはエドガー・ライト作品(ショーン・オブ・ザ・デッド等)でお馴染みオタク俳優サイモン・ペグが「単なるイギリス人」として登場して口角泡を飛ばして絶叫していたりします。
つまり「エピソード1」は「ファンの期待を受け止める」だけの映画では無かったみたいです。
個人的には下手すると「最初に劇場で見たナンバリングスターウォーズ」だったこともあり、結構面白かったです。
ただ、ゴリゴリの「スター・ウォーズ」ファンが作ったならば「ミディ・クロリアン因子」(ジェダイの素質にこれが必要ということになると、「修行すれば誰でもジェダイになれるかも!」という可能性が無くなる)なんか出さないでしょう。
また、中米の黒人のイントネーションを揶揄したとされる史上最強のウザキャラ「ジャー・ジャー・ビンクス」とかもね。
エピソード2か3か忘れましたが、ルーカスの娘のアイドル歌手グループを背後のモブに登場させようとしてファンの猛抗議でひっこめたりしています。
ルーカスにしてみれば「オレの映画なんだからそれくらいいいじゃん…」ということなんでしょうが、熱烈ファンからすると「聖典を穢(けが)すな!」というところなんでしょう。
創造主に文句を言うってのもアレですが…。
「エピソード2」では、あの白一色の「ストーム・トルーパー」の中身が全部「ボバ・フェット」の息子「ジャンゴ・フェット」のクローンであるという驚愕の真実が明かされます。
正直これはスター・ウォーズファンも「ドン引き」してました。
「いや、確かにボバが出て来るんなら活躍させろとは言ったけど
そ う い う こ と じ ゃ ね え ん だ よ」
と。
恐らくルーカスはこう言いたかったでしょうね。
「お前らがボバ活躍させろっていうからやったのに!もうどうすりゃええねん!」と。
そんなこんなでやっとこさ「エピソード3」に到達。
一応は「エピソードIV」に接続自体はしました。
しかし、ラストに至って一応は主役であるアナキン・スカイウォーカーは四肢を切断され、火山のマグマの近くに放置されて、じわじわと全身を焼けただれさせながら絶叫を上げるという、とても「ファミリー向け映画」とは言えない有様になります。
その後、どうにか救出され、ダース・ベイダーのマスクを被るところで終わる訳ですが、当時の劇場は、「遂にシリーズ完結!」ってことでお祭りのために集まったコスプレした観客が余りの陰鬱なエンドに「お通夜」みたいな有様だったそうです。
アメリカのマクドナルドも「ファミリー映画」として売り出そうと「ハッピーセット」とかでスター・ウォーズのグッズ展開もしたそうですが、ダルマにされた上「悪役になっちゃいました」では小さな子は泣いたんじゃないかな。
Ep5からEp6「ジェダイの復讐」公開前までの蜜月関係
Ep6公開前までは、ファンとジョージ・ルーカスは蜜月関係だった
・・・と、ファンは勝手に思っていた!?
思えば「スター・ウォーズ」というのも複雑なシリーズです。
今もって「帝国の逆襲」は人気です。
理由は恐らくハッキリしていて「渋い」展開だったからです。
のっしのっしと歩いてくるお馴染み巨大四足歩行戦車「AT-AT」
を始めとする「メカデザインの格好良さ」は確かにシリーズ屈指です。
ただ、当のルーカスは焦っていました。
確かにあれだけの人気を誇った「スター・ウォーズ」よりも高い評価を獲得し、当時としては驚天動地の「途中から始まって途中で終わる」(観客はジェダイの復讐まで3年待たされた)映画にも拘らず大成功しました。
ところが、実際に出来上がった映画には「ルーカス色」めいたものは殆ど残っていませんでした。
評価されたポイントはことごとく「別のスタッフによる」部分だらけとなっていたのです。
恐らく当時の観客も分かっていたのだと思います。
「スター・ウォーズ」は確かに面白いのですが、
『アメリカ英語を話す着ぐるみの『宇宙人』がレーザー光線をぴゅんぴゅん撃ち合う映画』
は決して格調高いものではありません。ハッキリ「子供向けのマンガ映画」です。
バカバカしさと荒唐無稽さで言えば、ジョン・ウェインの西部劇も五十歩百歩と言っていえなくもありませんが、「大人の鑑賞に堪える」のは後者でしょう。
で、あるからこそ徹底的なミリタリー描写へのこだわりやら、「渋い」展開などで「大人の鑑賞に堪える」ものにしなくてはならなかったのです。
そして「帝国の逆襲」ではかなりの程度それを成し遂げたのです。
1980年当時の観客は「あれだけ期待されて、期待以上の作品が出て来た!このままだと次の完結編は一体どうなってしまうんだ!?」という反応だったそうです。
思えばこの「まだ見ぬ最高の新作にして完結編を待ちわびる1980~1983年の3年間」がスター・ウォーズファンが最も幸福な期間だったかもしれません。
Ep6「ジェダイの復讐」(現:「帰還」)
まだインターネットなんてものはなく、映画雑誌も高くて買えない子供の頃には「帝国の逆襲」という「続編」が存在することも知りませんでした。
そんな時、テレビのコマーシャルだかニュースの文化コーナーだかで「スター・ウォーズの新作である「ジェダイの復讐」が公開される!」というニュースが飛び込んできました。
その頃にはもう「エピソードVI(シックス)」という言い方をしていたかは余り記憶にありません。
流石に「パート3」みたいな言い方はしてなかったと思うのですが、とりあえず「3作目」らしいということは分かりました。
ただ、その「新作映像」を見て愕然としました。「声が違う!」
そう、その頃は私は「スター・ウォーズ」で余りにも流暢に日本語を喋るものだから「日本映画」だと思い込んでいたんですね。なので英語でしゃべっているいつものメンツに違和感がありまくりでした。
擦り切れるまで観返した「TV版」以外は受け付けなくなっていたのです。
そのせいもあってか当時は劇場では観ていなかったと思います。
かなり遅れて「帝国の逆襲」を見た時には「なんだかつまんない映画だな」と思いました。
シリーズ中最も評判が高い「帝国の逆襲」について書いているとこんな原稿一本じゃ収まらないので省略。
そして「ジェダイの復讐」です(今は「帰還」が公式ですが、この原稿ではこれで通します)。
ダースベイダーの素顔の余りのブサイクさにあ然としていたら何だか分からないけど作りかけのデス・スターを破壊してめでたしめでたし。
着ぐるみのクマちゃんみたいなのがどんちゃん騒ぎして終わり。
「1作目の焼き直しみたいだな」と思いました。
ちなみにこの感想は「エピソード1」「7」「9」「ローグワン」を見た時にも感じることになるのですが。
ガキだったということもあって、公明正大・明朗快活な「スター・ウォーズ」(私が観たのは「エピソードIV(フォー)」でも「新たなる希望」でもない「スター・ウォーズ」なのでこれで通します)以外はまったく響きませんでした。
その後私は日本製のアニメとかに傾倒していくことになり、「スター・ウォーズ」という「世界一面白い映画」のこともすっかり忘れていました。
ルーカス色を押し出したEp6「ジェダイの復讐」
何かと評判の悪い「エピソード7~9」そしてスピンオフドラマの数々。
それらには明確な共通点があります。
それは「人外の宇宙人をほぼ出さない」ことです。
それこそ「スター・ウォーズ」のモス・アイズリー空港のカンティーナの酒場でハン・ソロに射殺される「グリード」みたいなやつです。
きっと「着ぐるみ人形」みたいなのを出したら映像作品全体がバカバカしくなっちゃうと思ってるんでしょうね。
大体、「悪い奴」に「グリード(強欲)」なんて名前を付けるんですから世界観が「マンガ」です。
プリクウェルに「グリーバス将軍」というどうやって日常生活送ってるんだかわからない手がいっぱいある悪いのが出てきます(実際の初登場はCGアニメの「クローン戦争」らしいですが)。
この「グリーバス(Grievous)」という単語は「悲痛な、痛ましい 重大な、危機的な、最悪の」といった意味の形容詞です。
実はこの「ネーミングセンス」に関しては、一部スタッフは失笑していた…という噂があります。
まあ、それこそ「ドロボウ」キャラに「大泥棒助(おおどろ・ぼうすけ)」と名付けるみたいなもんですからね。
一方で「タトゥーイン」「ホス」「コンサント」「ナブー」「ケッセル・ラン」「べスピン」などなど、「地名」には非凡なセンスがあるのでそれも面白いですね。
ともあれ、シリーズ屈指の異形の怪物「ジャバ・ザ・ハット」にしても、デザイナーチームは「ルーカスもまさかこれ選ばんだろ」と「捨てデザイン」として持ってったものが採用されてしまったのです。
お分かりいただけるでしょう。ルーカスが思い描く「スター・ウォーズ世界」というのは「子供っぽい」んですよ。
今でもことあるごとに話題になる「エピソード6」の「アクバー提督」ですが、見た目はまんま「カエル」です。
私が映画学校の生徒だったころは、飲み会の席で「なんでカエルに指揮されなきゃならんのだ」と笑い話の定番ネタでした。
極東の映画学生にもそういわれるくらいですから、おそらくあちらの熱狂的なスター・ウォーズファンもそうだったでしょう。
今の目で「ジェダイの復讐」を見返すと、ルーカスは見た目まんまカエルの「アクバー提督」を特にその見た目を揶揄するわけでもなく普通に「優秀な軍人」として描いています。
その後、「着ぐるみ宇宙人」の絵面のバカバカしさから「人型宇宙人」以外の出番がどんどん減っていきます。
どう考えてもマペットの「ヨーダ」が、
「フォースの師匠」として出てくる世界観こそを愛していたのではなかったのかと。
結局「ジェダイの復讐」は「リアル路線」を勝手に推し進める後から入って来た外部スタッフの影響を排除し、「ルーカス色」を前面に出すものとなりました。
ミリタリー・リアル路線を突き進みかけていた「帝国の逆襲」の渋い世界観は崩壊し、ストーリーは単純明快の子供向けとなり、なんといっても「イウォーク」という「着ぐるみ」どころか「ぬいぐるみ」宇宙人が大活躍します。
当然これには真面目な(?)スター・ウォーズファンは激怒します。
「ふざけんじゃねえ!女子供向けじゃねえんだ!」と。
私は着ぐるみっぽいのがが出てくるSWが好きです。イウォークやジャワ族、R2-D2など可愛いけど毒があるキャラが魅力。ジャージャー・ビンクスは苦手ですが・・・
どうやらルーカスはファンである「七人の侍」の「農民」みたいなものを出したかったみたいです。
帝国の圧政に苦しむ民衆として。
だったら普通の人外みたいなのでいいんじゃないかと思うんですが。
他のスタッフならばクロサワよろしくの小汚い「農民」を出したでしょう。
それが「可愛いぬいぐるみ」になっちゃうのがルーカスの世界観なんです。
想像するよりないのですが、恐らくは相当に他のスタッフと衝突したと思います。
実際、書きあがったシナリオを全ボツにしてルーカス自身が書いたものと何度も差し替えることになったのですから。
そしていざ公開された「ジェダイの復讐」の反応はどうだったか?
「帝国の逆襲」で示されたはずの渋いミリタリー路線は影も形も無くなり、「ガキ向け甘々ストーリー」が展開した上「クマちゃん踊って終わり」です。
多くのスター・ウォーズファンは激怒し、落胆し、絶望しました。
映画監督のデビッド・フィンチャーによる「ジェダイの復讐」評。
「ビチグソをストローで吸い上げさせられる様な映画だ!」
まあ、「ファイト・クラブ」とか撮っちゃう監督にしてみればそりゃ耐えられないでしょうね。
ただ、これも勝手な話でルーカス監督としては何もブレてないんです。
「スター・ウォーズ」は子供っぽいほどに単純明快だからあそこまで受けたんじゃないんですか?
私もそう思います!SW Ep4は、子供がワクワクできる内容で良かった
あれで「アメリカン・ニューシネマ」みたいに「結局最後は帝国軍が勝って、ルークたちは失意のうちに自殺する」映画だったらこんなに歴史に残りましたかね?
私に言わせれば「ファンが勝手に作り上げたオレ脳内スター・ウォーズ」に勝手に盛り上がって、それに従わない場合は創造主であるはずのジョージ・ルーカスすら罵倒する状態になっちゃってるだけでしょ。
こんなもん「厄介オタク」以外の何物でもありません。
まあ、とはいえ「スター・ウォーズ」は今や「産業」です。
これ一つで家族を食わせている人が万単位で存在するのです。もはや「ルーカスの個人作品」という域を完全に超えてしまいました。
「バックステージもの」
その後、「スター・ウォーズ以外のこともやりたい。それにはもう自分は年を取りすぎている。100年後まで残るフランチャイズとして誰かに引き継いでもらいたい」と、ルーカスは「スター・ウォーズ」の権利をディズニーに売り渡します。
そして「7~9」が作られる訳ですが…これが歴史的な成功だったか失敗だったかはこの項では触れないことにします。
ただ、「7」においては映画が始まる前のロゴは勿論のことエンディングテロップに至るまでれっきとしたディスニー映画でありながら「スターウォーズ」の雰囲気を壊さないため、「シンデレラ城」マークや「ディズニー」ロゴを一切表示しないなどの「配慮」をしてくれていました。
元々「ガキ向け」と侮られることが多かった「ディズニー」は、「アダルト層」獲得に躍起になっており、なんと「MCU」を買収して青年・壮年コミックファンの取り込みに乗り出します。
その戦略の一環として、莫大な予算を投じての「スター・ウォーズ」権利の獲得に至る訳です。
「スター・ウォーズ」シリーズはあれだけのカルト人気シリーズでありながら、「ホリデー・スペシャル」以外だと、イォークを主役にした「イウォーク・アドベンチャー」
とCGアニメの「クローン・ウォーズ」
くらいしか「映像」作品がありませんでした。
毎年のように「TVドラマシリーズ」を連発していた「スター・トレック」シリーズと大きく違います。
その状態もある意味「解消」され、「マンダロリアン」
シリーズを筆頭に「オビワン」「アソーカ」など「もうええわ」ってくらい次々にドラマシリーズが作られています。
そして遂に「バックステージもの」まで始まった訳です。
それがこの「ルーカス・ウォーズ」ですね。やっと「ルーカス・ウォーズ」の話に繋がりました。
コミック「ルーカス・ウォーズ」の感想に続く・・・!!