映画「THE FIRST SLAM DUNK」感想(カイミ)
Brian MerrillによるPixabayからの画像
ジャンプ黄金期の漫画「SLAM DUNK」が映画化しました!
昨年秋公開され、翌年2023年春の現在もロングラン上映してます。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」とは
映画「THE FIRST SLAM DUNK」について
原作・脚本・監督 を、漫画原作者の井上雄彦先生が手がけた映画。
2021年1月に映画化が発表され、2022年12月3日(土)に公開。
漫画「SLAM DUNK」のコミックス終盤の山王戦の試合をメインに描かれている。宮城リョータの目線で物語は紡がれ、新たな視点で映画化された。
2023年4月の現在でもロングラン上映中!
映画「THE FIRST SLAM DUNK」映画公式サイト
田舎の映画館でもまだ上映中で嬉しい。
漫画「SLAM DUNK」について
週刊少年ジャンプ(集英社)1990年42号から1996年27号まで連載された、井上雄彦による少年漫画。高校バスケを題材に選手たちの人間的成長を描き、国内におけるシリーズ累計発行部数は1億2000万部以上。その影響からバスケを始める少年少女が続出し、テレビアニメ(1993年10月~1996年3月)やゲームなども製作された。2006年、若いバスケットボール選手を支援するための「スラムダンク奨学金」が設立される。2018年、全カバーイラスト描き下ろし、物語の節目ごとに巻を区切り直した新装再編版(全20巻)刊行。2020年、イラスト集『PLUS / SLAM DUNK ILLUSTRATIONS 2』刊行、連載開始から30周年を迎えた。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」公式サイトより
当時発行部数600万部越えの週間少年ジャンプで連載されていた、高校生バスケットの漫画「SLAM DUNK」。
当時、人気のスポーツは野球とサッカーで、この漫画でバスケットを知った人も多かったです。
主人公は、不良少年の桜木花道。最初の企画段階では、流川が主人公の案もあったそうですが、なかなか話が回らなくて、バスケット素人の桜木花道が主人公になったようです。
バスケットを始めたきっかけは、好きな女の子に振り向いて欲しいからなのですが、バスケットに興味なかった主人公が、少しずつ本気になっていくのも、読者としてはとっつきやすかったです。
高校生バスケットの試合をこんなに楽しく漫画で読んだのは初めてで、毎週ジャンプが楽しみでした。
本当に、当時バスケット部が大人気でした!
クラスで一番人気者の男子も女子もバスケ部って感じ。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」の感想
私と漫画「SLAM DUNK」の思い出
私はジャンプ黄金期に青春を過ごした「SLAM DUNK」ドストライク世代です。
当時は、アニメは「あーやってるなぁ」とたまに観るくらいで、週刊少年ジャンプと、コミックスとで漫画を中心に楽しんでました。桜木花道のイラストとか家で描いて遊んでました。
漫画の「SLAM DUNK」が1996年の半ばに連載終了したのですが、当時週刊少年ジャンプに「第1部完」と印刷されてて、
「いつ連載再会されるのかな?」と、私は数年ほど待ってました。
いつまで経っても始まらず、「バカボンド」「リアル」などの漫画が連載され、
「ああもう「SLAM DUNK」の続きはないのか・・・」と、諦めつつも、「ちょっと納得いかないようなもやもや」が心の片隅に残りました。
ここ20年ほどの間で、たまに当時の漫画の話になると「SLAM DUNK」の話題は必ず上がって「第1部完だったよねー、いつ始まるかなぁ」と、やっぱり「ずっと待ってる自分」を再確認。
ハードル低めに映画を観始めるも
最初は、あまりにも評判が良いので、思い出補正なんじゃないかなー。
と、ハードル低くなってたのです、正直いうと。
ですが、前評判で「宮城リョータ」目線で物語が進むと聞いてたので、
これは新たな解釈で作ってる映画ということで新鮮に観れそうだなと思い劇場へ。
ハードル低く見始めると、
オープニングから、
それはもう、正に、
そのものの何だか(なんか日本語が変になっていく)、
「井上雄彦先生の絵が、動いてる!!」
と圧倒されました!!!!!!!
「THE FIRST SLAM DUNK」のタイトルロゴが、
バーン!とバスケットコートに映し出された時、もう映画に意識を持ってかれてました。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観て変わったこと
映画を観ると、納得しました。
作者が、あのタイミングでこの漫画を終わらせた意味が。
「山王戦以上のものは描けない」と漫画が終わった訳が。
心の中の「ちょっと納得いかないようなもやもや」がスーッとなくなり、
なんとなく腑に落ちたのでした。
確かに、これ以上の戦い(試合)は、(私はバスケ全然くわしくないですが)なかなかないなと。
ここで、ここが「正に」物語ピークの盛り上がりで、ここで終わるのが最善だと。
作者は、この戦い(試合)を、このように頭の中に描いていたのかと。
漫画では1年以上山王戦は連載あったと思うのですが、映画では約2時間にぎゅっと凝縮されて、それはもう濃厚な体験でした。
映画でよくわかったことは、「花道以外の選手はちゃんとそのルールを知ってる選手の動き」で、花道だけ動きが「もっさり」していて、「下手」なんだけれど、「リバウンド」だけはすごい。というのが視覚的に、わかりやすくなってました。
花道はリバウンド王のデニス・ロッドマンがモデルらしいとか、当時話してたのを思い出したりして、懐かしー。
花道がいないとこの試合は勝ててない、というのが、映画になってさらにリアルにわかりやすくなっていました!
もう、すごい。観たすぐ後から、もう一度観る計画を立てちゃう。
映画が盛り上がる所で入る、劇伴がめちゃカッコいいんだよ!!試合最後残り3分で点差があって、あと残り1分しかないよってとこでかかる劇伴のタイミングとか、盛り上がるっ!最高!!
映画館のパンフは売り切れていて、書店で「THE FIRST SLAM DUNK スラムダンク re:SOURCE」を購入し、どうやってこの映画が作られたのかを知ることになりました。
「ザ・ファーストスラムダンク リソース」によると、2009年に東映アニメーションから映画の企画を最初持ち込まれた時は、乗り気ではなかった井上先生でしたが、2014年の5年に渡り企画を持ち込む熱意に驚かれ、持ち込まれた「最終回の桜木花道の顔」が描かれているのを見て「絵の力」を感じ、「自分が関われば、この花道がもっと花道になる」という直感があり映画化が動き出したそうです。
そこから、映画のネームを全て井上先生が作成し(ここを読んだ時は、私「は!?」と思いました。凄すぎる)、漫画と映画の違い・・・自分の絵が全て映画の絵になることはないことにストレスを感じたそうです。漫画だと、自分の絵そのままですが、作画にこだわりのある先生ならではの悩みなのでしょう。
モーションキャプチャを用いバスケの動きをリアルに再現し3DCGに落とし込み、それを井上先生が作画を直しています。これもまたすごく細かく入っていて(「ザ・ファーストスラムダンク リソース」に直しの絵がはいってます)、凄まじい作画へのこだわりが感じられます。
そしてこの本には単行本未収録の「ピアス」という読み切り漫画も載ってるので、こういうの嬉しいです。
映画パンフは買えなかったけれど(今度劇場に行ってあったら買おう)、満足しました。
2023年4月は、入場特典が「安西先生のステッカー」だそうで、また観に行きたいです。
映画2回目を観に行った
映画館で再度観たくなった
車で映画館まで高速で1時間、下道だと2時間弱の田舎に住んでいる私は、2回映画を観ることは稀です。良かったら、1回観たあとは、BRソフトを購入します。
ただ、この映画は「映画館で観たい!」と思って再度観に行きました。
大画面で迫力あるバスケの試合の映像はもちろん良いですし、音が臨場感があり、劇伴もカッコよくてとても良いです(Dolby Atmosで制作しているそうです)。
そして、2回目に劇場に行ったとき、幸運なことに、残り1つのパンフレットを購入することができました!劇場オリジナルグッズがネットで販売されてるようなので、パンフも販売すれば買えなかった人が購入できて良いかもしれません。
公開して5ヶ月位たってるのに、劇場は8割埋まっていた
中国本土で4月20日に公開して、1.6億元=およそ31億円を突破したと連日ネットやテレビで報道されていたせいか、先月観に行ったよりも、小さな劇場の約8割は埋まっていてすごいなーと思いました。
映画を観ていてライブ感が高まって良かったです。クライマックスで客席がすごく画面に集中しているのを感じながらの2回目はとても緊張感が高まるし、皆で応援している感じがしました。
2回観ることで、より詳細なところまで楽しめました。
最初はバスケットの試合の迫力にインパクトがあり、そっちに意識を持っていかれました。2回目は、私は宮城リョータの回想シーンが詳細な所まで見れたと思います。
宮城リョータのリストバンド(ちょっとだけネタバレ)
この映画は、山王戦のバスケットの試合をメインに描きつつ、宮城リョータが主人公として沖縄の回想シーンが入り、家族の物語が描かれています。
漫画を読んでた時から、宮城リョータがリストバンドつけてるのは少し印象に残ってました。
よく見てるなー。気にもせんかった。
みんな服装とか髪型とかバラバラで、個性的でしょ?印象に残りやすいの。
流川の黒いリストバンドは1つだけつけててフツー(位置は特徴的)ですけど、リョータの付け方、変わってるなー(複数つけてる?もしくは分厚いリストバンド?)と。
ピアスつけたり、髪型はツーブロックだし、彼はお洒落さんで、リストバンドを変わったつけ方してる・・・思ってたのです(漫画の時は、色までは付いてなさそうな白っぽい描かれ方してますけれど、2つつけてます)。
なんと、こういった意味(お兄ちゃんの・・・)があったのですね。
宮城リョータの沖縄パートは、映画オリジナルだそうです(もともと漫画製作時から、名前は沖縄をイメージしていたそうです)。
回想シーンで、高校バスケの選手になったリョータが、(沖縄・子供の頃の時に戻り)絶望する母親を、後ろからそっと頭を撫でる。
涙が出ました。
あのシーンは、良いですねー。何回でも観たいです。
井上先生の漫画は、良い回想シーンが多く入るのが特徴的。あんなに回想が多く入るのに、物語本編にスッと違和感なく戻るという抜群のセンスの良さ。
回想があることで、物語本編も、よりブーストして盛り上がっていきます。
(本当なら、あのシーンも、このシーンも、観たかったけれど、2時間の映画で新たに描くならこの塩梅がまとまり良いのでしょう・・・。もっともっと観たいけれど!)
映画になってもその良さが堪能できて、そして新たな宮城リョータの回想がみれて、とても満足しました。
まとめ
映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、こんな人におすすめ
- バスケットが好きな人
- 「SLAM DUNK」が好きな人
- 井上雄彦先生の絵が好きな人
- 井上雄彦先生の絵がアニメで動くなんて嘘でしょ、と思ってる人
- 漫画「SLAM DUNK」の第2部が読みたい、とずっと待ってる人
昔の「スラムダンク」アニメでファンだった方は、声に違和感があったのかな?
私は漫画で追ってた方なので、新しい声優さん、みんな私の脳内イメージに合っていて良かったと思います!私的には、特に花道と流川が脳内再生に近い声でした。
漫画「SLAM DUNK」を読んでた人は、ぜひ!!
観てください!必見!!!!!!!