映画「SAND LAND」感想(カイミ)
20年以上前に出た漫画「SAND LAND」が映画化して、早速観に行ってきました!
感想は、カイミが書いてます。よろしくお願いします。
映画「SAND LAND」はこんな人におすすめ!
- 悪魔が好きだ!
- 戦車が好きだ!
- 渋い爺さんが好きだ!
- 鳥山メカが好きだ!
- 鳥山明の描くキャラクターが好きだ!
- 鳥山明の描くアクションが好きだ!
- 鳥山明の漫画は「Dr.スランプ」と「ドラゴンボールの初期(悟空が小さい頃)」の方が好きだ(鳥山メカが多く出てくる)。
- ちょっと、残酷なのは苦手だ・・・(ドラゴンボールの後期ほど残酷でない)
- 子供と安心して観れる映画を探している(渋い内容ですけれど、子供にも良いかと)
鳥山先生の良いところが全部入っているような感じの映画でした!
映画「SAND LAND」概要・あらすじなど
概要
鳥山明先生が、漫画「DRAGON BALL(ドラゴンボール)」終了後、週刊少年ジャンプで、2000年23号から同年合併号まで短期集中連載された漫画の映画化。
2023年8月19日に劇場公開された。
キャスト(かっこ内が役名)
- 田村睦心(ベルゼブブ)
- 山路和弘(ラオ)
- チョー(シーフ)
- 鶴岡聡(アレ将軍)
- 飛田展男(ゼウ大将軍)
- 大塚明夫(サタン)
- 茶風林(サンドランド国王)
- 杉田智和(スイマーズ・パパ)
- 遊佐浩二(スイマーズ・パイク)
- 吉野裕行(スイマーズ・シャーク)
- こばたけまさふみ(スイマーズ・グッピー)
どの声も漫画を読んでいたイメージと、あってました!特に、ベルゼブブの田村さんの声は、ちょっとハスキーなお声で、かっこカワイイベルゼブブにピッタリでした!
スタッフ
- 横嶋俊久(監督・絵コンテ・演出)
- 神志那弘志(ディレクションアドバイザー・絵コンテ・演出)
- 森ハヤシ(脚本)
- 岩波美和(音響監督)
- 菅野祐悟(音楽)
- 菅野利之(キャラクターデザイン・総作画監督)
- 山根公利(メカニカルデザイン)
- 帆足タケヒコ(メカニカルデザイン)
監督の横嶋さんはゲーム「ドラゴンクエスト」のPV・OPに携わっており、神志那弘志さんは「Dr.スランプ」にも携わった方がいらっしゃったり。
スタッフさん達の参加作品が、映画パンフレットに詳しく紹介されていて、私の観たことある作品も多くあり、また観たことがない作品は、観てみたいな−と思いました!
上映時間
1時間45分(105分)
子供と一緒に観るなら、この位の時間が良いですよね!
時間が長いなーと感じず、すっきりと楽しめる上映時間でした!
体感としては、90分映画のようなコンパクトさで良かったです!
あらすじ
魔物も人間も慢性の水不足に喘ぐ砂漠化した世界。
全ての水は国王がコントロールし、私腹を肥やしていた。
国王と国王軍はたよりにならないと考えた元・軍人の老人ラオは、魔物の住む地域を独断で訪ね、「幻の泉」探しの協力を、悪魔の王子ベルゼブブに頼んだ。
最初は乗り気でなかったベルゼブブだったが、戦乱で失われたゲーム機をもらい、父サタンの許しを得て協力することとなる。
悪魔の王子ベルゼブブと元・軍人ラオがタッグを組み、ベルゼブブのお供に盗みの得意な魔物のシーフを連れて3人で「幻の泉」を求め旅立つ。
映画「SAND LAND」感想
まずは「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」を思い出してみると・・・
私が一番好きな鳥山明作品は・・・「Dr.スランプ」です!
センベエ博士が作る発明品が好きなのと(ギャグテイストで描かれるけれど、サラッとすごい発明だったりするのも好き)、表紙のミリタリー感溢れるメカ表現や、ドラゴンのようなモンスターにのったアラレちゃんがとても好き!
アラレちゃんが、ロボットなのに「近眼の眼鏡っ子」という、天邪鬼な設定もとても好きです。
ペンギン村の住民達も、とても可愛いんですよね。
建物はコーヒーポット型だったり、割と曲線や丸っこいデザインが多いですね。
ポップでライトで可愛くて、シンプルで分かりやすい表現。
車などは丸こく単純化されてるイラストなのに、実際にある車をモチーフとしたであろう細かいメカ描写で存在感がある・・・というバランスが、とても魅力的に感じています。
「ドラゴンボール」は、個人的に、悟空が小さい頃の初期の方が好きです。
ブルマと旅をして、ドラゴンボールを探す序盤の物語。
なぜかなーと、振り返って考えてみると「鳥山メカが沢山出てくる」「宝探しの旅をする話」という所も大きく関係しているのかなと思い出しました!
ブルマが乗っているバイクが特に好きで、ドラゴンレーダー、ホイポイカプセルから現れる色んなもの(子供の頃、欲しかった)。
7つのドランゴーンボールを集める過程、集めた後の『ひとつだけ叶う願い』・・・(『願い』がくだらない事に決まってしまったりするのも、笑えて好きだった・・・)。
それらにワクワクしていました。
もちろんコミックは全巻持ってて、最後までボロボロになるまで読むくらいに楽しんでました。
私の好きな鳥山先生が凝縮していて、見応えがある!
漫画「SAND LAND」でも感想を書いてるのですが、改めて過去作を思い返して、再度この漫画を読むと、私の好きな鳥山先生が凝縮したような作品だなー!と思いました。
ドラクエに出てくるようなモンスター、かっこカワイイ悪魔の王子ベルゼブブ、戦車などのミリタリー表現、ポップで緻密なメカ描写・・・。
これまで、あまり見たことがないようなキャラクターだと思ったのは、元軍人の老人・シバ。複雑な表情をみせるキャラクターは、物語に深みを増してくれています。
これまでの鳥山先生の老人キャラクターだと、ドラゴンボールの亀仙人や鶴仙人などがいましたが、シバほどの葛藤を抱えては描かれていなかったので、違う魅力があって良いですね!
真逆の設定を持ってくるのも鳥山先生ならでは、砂漠にペンギンのような形の戦車とか・・・。
悪魔の方が、人間より人を殺してないとか・・・。
子供の頃から読み慣れた、ちょっと天邪鬼な設定は私好みです。
劇場公開3日目の様子は・・・
映画館に公開3日目で足を運びました!
お盆つながりの日曜日だけど、もっと客席埋まっていても良いのでは!?と思いました。
昼間の回なのに、客席の半分も埋まってない。。
なんで?題材が渋すぎるの?
思い返せば、私の好きな「MAD MAX 怒りのデス・ロード」も劇場公開時は、まばらでしたが・・・。面白すぎそうな渋い作品は、客席埋まらないのか?
ちなみに、「SAND LAND(2000年)」の発表の方が、「MAD MAX 怒りのデス・ロード(2015年)」公開よりずっと早く。鳥山明先生と、ジョージ・ミラー監督の好みが似てるのだろうなーと思いました。どちらも車好きだったりして。スイマーズ・パイクとシャークが、ウォーボーイズの雰囲気とちょい似てるような・・・?(体型と目元に注目)。どちらも好きな作品なので、そんな風に見比べたりして。
大事なことなので、何度でも言います。
鳥山明ファンは、「SAND LAND」を劇場で観ましょう!!
豪華な入場者特典!
入場者特典は、「鳥山明書き下ろしアートボード」「スーパードラゴンボールヒーローズ バトルカード:ベルゼブブ」でした!
アートボードは書き下ろしですって!なんと贅沢な!
厚みもしっかりしていて、そのまま飾れます。
「スーパードラゴンボールヒーローズ バトルカード:ベルゼブブ」は、ゲームはしないですけれど、キラキラしていて綺麗で嬉しかったです。子供の頃、ビックリマンチョコのキラキラシールを当てた時の感じ。
映画を観た感想:とても完成度の高い映画でした!
鳥山明の世界を違和感なく楽しめる、明快で優しいアニメーション
「SAND LAND」は、CGと手書きで作られているそうです。
どこからがCGで、どこからが手書きなのか、わからない。
違和感なく楽しめる、自然なアニメーションでした。
メインキャラクターはCGで動いているようなのですが、気にならなかったです。
鳥山先生の作品の世界を大切に作られているのが観ていてよくわかり、制作しているスタッフや配給さんに対して好印象を持ちながら気持ち良く観れました。
映画を観にきてる人もしかりで、「館内が鳥山作品が好きな人たちの空間だー」という感覚があって、とっても良かったです。
映画をみんな集中して観ていて、ほんのりと一体感。
好きな人だけ観にきてて、変な客がいなくてノイズにならない。
逆に、これはこれで良いかも!
・・・とはいっても、もっと大勢の人に観てもらいたい良作です。
子供の頃、鳥山明のアニメーションや漫画を楽しんだ方は、ぜひご家族を連れて一緒に観に行ってください。
鳥山明ファンは「SAND LAND」を劇場に観に行きましょう!!
テンポが良くて、良かった!
20年前に作られた漫画原作の劇場アニメ化なので「あれもこれも」と詰め込みたくなりますが、そこは欲張らずに過不足なくまとまっている感じでした。
(個人的には、悪役の中ではスイマーズが好きなので、もう少し観たかったけど、あの位でも良いかな)
上映時間105分とスッキリまとまっていて、コンパクトな中に、「ぎゅっ」と鳥山明が濃縮したような映画でした!
「もー少し観たい!」という所で終わる。
昔の90分映画のような・・・そのくらいが良いのです。
無駄が一切無い「ちょうど良い塩梅」は、流石プロの仕事と感動!
CVの選び方(ベテラン声優)、音楽、映像、アート、鳥山メカの描き方(通常の乗り物と縮尺が違ったりする感じ)・・・どれも素晴らしく。無駄が一切ない!
何もかもが、プロの仕事だなー!と感動しました。
全てにおいて「ちょうど良い塩梅」で、気持ち良く鑑賞できる娯楽映画でした!
小さなお子さんにも配慮されて作られた、優しい作品!
「音」に関しては、小さなお子さんがびっくりしすぎないように配慮されて作られたそうです。
戦車の音を大きな音にしすぎないように、そして、リアルな戦車の音は、案外とあのような素っ気ないといいますか、ポフ(パフ?)という感じの音もあったりするそうで(私たちのイメージだと『ドカーン!』とかですが、案外ともっと素っ気ない音のものもあるようです)。
リアル追及しつつ、お子さんへの配慮も忘れないという・・・。
「生死」の扱いについても、セリフで人が死んだ等は出てきますが、モロに見せたりすることも無く。残酷描写はないので、安心して観せることができます。
映画のドラえもん位、子どもにも分かりやすく、優しい作りになってると感じました!
映画のパンフレットも良かったです!
ベルゼブブが前面に出たパンフレット!大きなサイズ感で、お値段は880円ほど。
普通に劇場で売ってるので、転売からではなく、劇場で買いましょう!
もう、いっそのこと、パンフレットも受注販売で、ネットで限りなく売れば良いのになーと常々思っています。田舎は特に、公開後すぐ劇場行く・・・というハードルが高い。
パンフ表紙は、ベルゼブブでした。
個人的には戦車や車も裏表紙にでも載せて欲しかったですが、グッズ映えするのは、やはり主人公のベルゼブブですね。
内容は、鳥山先生のコメント、監督はじめスタッフのコメント、キャラクターの紹介と声優さんのコメント。
サンドランド国王軍戦車隊104号・101号車、国王軍軍用車や巨大空母の作画設定、アートボードなども掲載されていて、面白く読ませていただきました!
パンレットに書かれていたのですが、エンディングのイラストで、鳥山先生が書き下ろした、新しい形のスライムが出てきたようですが、どこに出ていたのか、見逃してしまったた・・・!
原作の漫画では死んでいたスライムですが、映画では干からびる前に生き返ったみたいですね。
面白かったー。もう一度、観たいです!
まとめ:鳥山明ファンは必見!
大事なことなので、もう一度、言います。
鳥山明ファンは「SAND LAND」を劇場に観に行きましょう!!
完成度が高く、視聴後も爽やかで満足感が高い!
家族全員で楽しめる映画です。
コンパクトな時間に「ぎゅっ」と凝縮された鳥山明の世界が楽しめますよ。