映画「エイリアン」のルーツや元ネタ探訪してみた
感想は、ぶらっくうっどが書いてます、よろしくお願いします。
公開当時の「エイリアン」(1979)
私は当時赤ちゃんではないもののかなり若いので、こんな怖そうな映画なんてまず観ていません。
当時の、「席は早い者勝ち」「タバコのけむりがもうもう」の劇場に「実写映画」観に行くなんてとても無理です。
小学生になって「劇場版ドラえもん」を親と一緒に行くのが関の山でした。
最初に見たのはテレビだったと思います。
それも、何故か日曜日の真昼間とかに映画をやってたんですよ。田舎だからでしょうか。
「エイリアン」なんて常に真っ黒な画面なので、日曜日の真昼間にまぶしい太陽光で画面が余り見えず、一生懸命カーテンを引いたことを憶えています。
最初に「スター・ウォーズ」(1977)を観たのもTVで、余りの面白さに終わった瞬間に家を飛び出していき、近所の公園で転げまわって興奮を抑えたことを昨日の様に思い出します。
その「スター・ウォーズ」が空前の大ヒットを飛ばしたことで、それまで
「予算ばかり掛かって当たらない」
ということになっていた「SF映画」でペンディングされていたものの企画が一斉に動き出します。
極論すれば「エイリアン」も「SFなら何でもいいからすぐに映画化しろ!」という大号令の中で実現した「スター・ウォーズの後追い企画」の一つだったのです。
恐らく現在発売されている「映画雑誌」でも「ロムルス」公開記念ということで「エイリアン特集」などが組まれていることでしょうが、関連作品として「エイリアン」シリーズ作に触れる程度で、「スター・ウォーズ」にすら触れられないことでしょう。
実際、当時「スター・ウォーズ」の大当たりを他の映画関係者が黙って見ているハズはなく、「これでもか」というほど「模倣作」が作られまくったのは良心的な映画ファンならご存じでしょう。
別のルーツを持つとはいえ、「機動戦士ガンダム」(1979)なども「SW」が無ければ現在の様な形では存在していませんでした。
ビームサーベルが、ライトセーバーとか?
そうそう!!
とはいえ「エイリアン」はそうした作品群とは一線を画しており、「SW」よりずっと前から温められていた執念の企画でした。
そのため「SW」からではなく、それ以外の既存の作品群から大いに影響を受けています。
今では「2」から始まって「3」「4」、「エイリアンVSプレデター」などという、おちゃらけ企画に、数え切れないほど存在するコミックやゲームなど「エイリアンシリーズ」作品群の方が膨大であって、「エイリアン公開以前」の作品には触れられにくくなっていますが、不詳この私(ぶらっくうっど)がほんの少しだけご紹介しましょう。
「エイリアン」以前の作品群について
書籍「あなたの知らない怪獣㊙大百科」(洋泉社)の興味深い記事
この頃復活した「映画秘宝」は月刊誌時代の方が長いのでそういう印象を持つ方が多いかもしれませんが、元は特集号を連打する書籍群でした。
その中で1997年に発刊され、2003年に再販されたこの書籍「あなたの知らない怪獣㊙大百科」には「エイリアン」シリーズに関する興味深い記事が2つ存在します。
流石に全て孫引きする訳にはいきませんが、現在中古でしか手に入らないこともあり、不詳私の知見も加えてご紹介しましょう。
『「エイリアン」のルーツはこれだ ウェイン町山』
「ウェイン町山」さんはあの泣く子も黙る映画評論家の「町山智浩」さんのペンネーム(?)ですね。
「宇宙船ビーグル号」(A・E・ヴァン・ヴォークト)
この本、私は乱読していた時期に間違いなく読んでいたはずなんですがあんまり覚えてなかったです。
この小説こそ「宇宙船の中に侵入した異性生命体(エイリアン)と船員の攻防」というプロットの原点…なんだとか。ちゃんと「猫」もいるのがミソ。
そうなんですよ。「エイリアン」独自プロットと思われているものの多くは「元ネタ」があるんですね。
「恐怖の火星探検」
「宇宙船ビーグル号」を元ネタに作られたB級映画で、ラストで追い詰められた端の部屋で乗員を椅子に固定してエアロックを解除する!辺りまでが映画「エイリアン」と一緒。
何しろ最初「エイリアン」の企画が蹴られた理由が、
「この『エイリアン』という脚本をそのまんま映画化したら「恐怖の宇宙探検」のリメイクにしかならない」
という理由だったというんですから、2024年の現在の日本の映画ファンには全くピンと来ませんが、恐らくは「エイリアン」公開時には、B級映画ファンが「これって「恐怖の火星探検」なんじゃ?」と言われる程度にはメジャーだったみたいです。
クトゥルー神話
これまた結構有名な話で、そもそも「エイリアン」という映画の企画者であるダン・オバノンはクトゥルーファンでした。
今では監督のリドリー・スコットだけが有名になってますが、映画ファンの間では当時のオタクの星、ダン・オバノンの名前も非常に有名でした。
ダン・オバノンといえば傑作ゾンビ映画「バタリアン」の監督としても有名ですね。
今回は「エイリアン」原稿なんでゾンビについて深入りしませんが、「喋るゾンビ」「走るゾンビ」を先取りしており、正式に「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の続編でもあります。現代も「ザ・リターン・オブ・ザ・リビングデッド(生ける死者の復活)」です。
「クトゥルー神話」もまた一言では説明が難しいシリーズなんですが
要するに「この世には人間には理解が出来ない恐ろしい邪神たちがいる」という前提を共有する「シェアード・ワールド」です。
「シェアード・ワールド」は日本では余り馴染みがありませんが、共通の設定を使って勝手に(?)お話を作ってもいいですよ、という試みです。
TRPGゲームによってより広がりました。
実はゾンビ映画にもクトゥルー映画はあって、B級ゾンビ映画ファンにカルト的人気を誇る「ゾンバイオ 死霊のしたたり」
はラブクラフトの小説『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』が原作です。
更にライトノベル原作でアニメ化もされた「這いよれ! ニャル子さん」
も萌え系美少女アニメで能天気ラブコメですが、「無貌の神」ニャルラトホテプは「見た目は自由」という設定をちゃんと使っています。
話を「エイリアン」に戻しますが、そのクトゥルー神話シリーズの中でもつとに有名な「狂気の山脈にて」という作品があります。
要するにその山頂で「この世の物ならぬ邪神」の証拠(?)めいたものを沢山発見してまあ大変…という話です(説明が雑)。
ちなみに「複数回」ボードゲームにもなってたりします。
映画「エイリアン」はこれの「SF版」をやろうとしていた…というか元は「狂気の山脈にて」を映画化しようとしていて最終的に「エイリアン」になった…とすら言われてます。
「宇宙怪獣 / X星から来た吸血獣」(1958年)
実はこの映画が「エイリアン」の元ネタとなった…という話は映画ファンの間では結構有名みたいですね。邦訳DVDなどは出ていない模様。
何らかの宇宙生物に寄生された隊員が帰って来て、その身体を食い破って出て来る…という展開はこの映画が元ネタというのが定説とのこと。
ただ、「体内に寄生されている」場面は確かにあるらしいんですが、肝腎の「食い破って出て来る」場面そのものはこの映画には無いみたいです。
とはいえ、強烈な設定には違いないので、映画「エイリアン」のチェストバスター(胸板破り)はそこからインスパイアされたんでしょう。
「バンパイアの惑星」(1965)
「救難信号をキャッチした宇宙船が襲われる」話。「エイリアン」の14年前の映画ですが、その頃にはその展開はある種の定番だったみたいですね。
「エイリアン」に相当する存在が「精神寄生体」という点が違いますが(これなら予算の掛かる怪物を造形しなくていいですからね)、あの謎めいた「巨大な宇宙人の死骸(俗称:スペースジョッキー)」に相当するものも登場してるんですね。
下手すると「1回見たっきり」の人は憶えてもいないかもしれない「スペースジョッキー」は「エイリアン」の映画そのものの中で少々浮き気味の設定ですが、元ネタがあったのなら納得です。
「血の女王」(1966)
シェイクスピアあたりが書きそうな歴史劇みたいなタイトルですが、実際はB級SF。
これまた邦訳ソフトは無い模様。
「救難信号をキャッチした宇宙船が襲われる」(またか!)話。
エイリアンそのものは緑の皮膚のコスプレ人間が出て来るB級SFなんですが、「宇宙船内に産みつけられた卵がネズミ残式に増殖する」アイデアの元ネタとなった模様。
「アンドロメダ…」(1971年)
ちょっと時代が近づくと同時に若干メジャーになってきました。
- 病原体が異常な速度で増殖し、気密用ゴムを腐食させる
- コンピュータが基地を自爆させ、カウントダウンを読み上げる展開
- 病原体を米軍が兵器として軍事利用を目論んでいた
といった「エイリアン」シリーズでお馴染みの展開が数年前のメジャーな映画でも展開されていたという話です。
ただ、「敵生物がモノを溶かす」あたりは独自性が強いですが、「爆破カウントダウン」や「ヤバイ生物の軍事利用」は割と誰でも思いつくんじゃないかという気はします。
「ホラー映画、モンスター映画で軍がそれを軍事利用を目論む」展開なんて私でも数本思いつきますからね。オチに関わる場合が多いのでタイトルはあげませんが。
「ダーク・スター」(1974年)
エイリアンの生みの親の一人、ダン・オバノンによる「2001年宇宙の旅」パロディSF。
余りにもヒマこいた乗員が宇宙人を拾ってみるも、暴れ出して大変…という映画。
「エイリアン」の特徴の一つが、それまではエリート「宇宙飛行士」なんなら「全員が博士」だった「ホワイトカラー」集団である乗組員を「ブルーカラー」とし、仕事にやる気がない様子を描いたこと…とされていますが、先にやったのはこの「ダーク・スター」。
何しろダン・オバノン自ら手掛けているのでこれは明確に「エイリアン」の元ネタと言っていいでしょう。
…とまあ、こんな感じで「エイリアン」の元ネタと思われる映画がずらりと紹介されています。
これらの映画の大半が現在では日本語ソフトも販売されていません。
ましてや2024年に至っても「シリーズの新作」が作られる映画になんてなっていません。
それはとりもなおさず、映画「エイリアン」がこれらの映画の要素を「頂いて」いたとしても、上手くミックスして完成度の高い娯楽大作に仕上げたということに他なりません。
そして、この記事の中では「エイリアン本編からカットされたシーン」が幾つか紹介されているのですが、これが実に重大な要素を含んでいます。
生物としての「エイリアン」の生態
ニワトリと卵
「ニワトリと卵」の話があります。
「ニワトリと卵」は簡単に「循環(サイクル)」を説明することが出来ます。
卵からニワトリがかえる
↓
ニワトリが卵を産む
↓
卵からニワトリがかえる
↓
(以下繰り返し)
では「生物・エイリアン」はどうでしょう
「卵」からフェイスハガーが出て来る
↓
フェイスハガーが別の生物の顔に張り付いてタネを植え付ける
↓
チェストバスターが飛び出す
↓
成体(ゼノモーフ)になる
問題はここからで、「成体(ゼノモーフ)」が「卵を産む」のならば、「最初に戻」って「循環」するんですが、あの「エイリアン」はどうも卵を産んでいる様には見えません。
そもそも「エイリアン」にオスメスが存在するのかもよく分かりません。仮に
「ゼノモーフが卵を産む」
のであれば、ゼノモーフの成体のオスとメスが「生殖行為」を行っているってことになるんでしょうが、正直余りイメージが湧きません。
正直「フェイスハガーが顔面に張り付く」「チェストバスターが胸を食い破って出て来る」という生態が
「映画としても余りにも映える」
ので設定されたに過ぎないと思うのです。
その為、生物のサイクルとして余りにも歪(いびつ)です。
正直、映画「エイリアン」単体で完結とし、その後の作品が作られなかったならば
「エイリアンの生態はよくわからない」
で済んだと思うのです。
それこそ「卵→フェイスハガー→チェストバスター→ゼノモーフ」という「生態」だって別にそれで全部という認識が正しいとは限らないのですから。
(余談ですが「エイリアン ロムルス」において初めて「チェストバスター」から「ゼノモーフ」に至る変態において「繭を作って脱皮」する行程が描かれました。これは嬉しかったですねえ)
特に「卵」はどこからどうやって生まれるのか?が映画「エイリアン」を見ているだけでは分かりません。
「エイリアン」のLV426に「卵がずらっと並んでいる」訳ですが、仮に「生物兵器」であるならば、成体となって散々戦った後に死んでしまうだけで別に構わないと思います。
ただ、それにしても「じゃあ卵はどこから?」という疑問は残ります。
これは映画「エイリアン2」にて「余りにも映画的な」答えが与えられました。
それは「エイリアンクイーン(女王)」が卵を産んでいる。
というものでした。
以降の「エイリアンシリーズ」は基本的にこの設定を踏襲しています。
恐らく「クイーン」のみが「メス」でそれ以外は全部「オス」なんでしょう。
非常に極端な構成ですが、劇中でも言及されていた通り、「アリ」や「ハチ」などは実際にそういう構成です。
しかし、「クイーンのみが卵を産める」という「設定」は「2」まででシリーズが終わったのならば良かったんでしょうが、
「エイリアンクイーンを出す訳には行かない」(それだと2の二番煎じになってしまう)
後続作品にとっては非常に困ったことになりました。
実際「ロムルス」でも「遺伝子の再現」によって「フェイスハガーを増殖」させることに成功した、ということになっています。
つまり「卵」行程をスキップせざるを得なかった訳です。
モンスターとしての「エイリアン」の恐るべき性質の一つが「一匹でも侵入を許せばそこから無限に増殖する」というところにあります。
しかし、「クイーン」を頂点とする構造では「働きエイリアン」(笑)一匹から無限に増殖するという設定には「かなり」無理があります。というか無理です。
「ブロブ」じゃないんだから(笑)。
そもそも「2」で「クイーン」という「設定」が導入されるまで「極めて不自然で不完全」な「エイリアンの生態」という「設定」が放置されていたのでしょうか?
その「秘密を解くカギ」は映画「エイリアン」の「カットされたシーン」にありました。
そのシーンは主に二つです。
1 「繭」にされたダラス艦長
2 「卵」にされたブレッド
「1」に関してはシリーズの定番シーンとなってますので、すんなり理解できます。
特に「住人全員が繭にされていて、その状態で生存していた一人が『殺して』といいながらチェストバスターが胸を食い破って出て来る」場面という「2」の中でも見せ場があります。
「2」は「クイーン」という「卵生産マシン」を最初に設定した作品なので、「フェイスハガーの糧である生きた人間を卵のそばに繭として置いておき、卵が孵化するのを待つ」というのは論理の流れとして非常に綺麗で、無理がありません。
では問題は「クイーン」が存在しない「2」から先の作品群です。いやそういう意味で言えば「1」もです。
「エイリアン成体(ゼノモーフ)」くんがいくら頑張って何人の人間を「繭」にしようとも、「卵」が無い限りは、意味のない行為です。
「卵」が無い限りは「次世代のエイリアン」は生まれてきません。
ところが「エイリアン」にはもう一つのカットシーンがありました。それが先ほど紹介した
2 「卵」にされたブレッド
です。
「繭」ならばイメージしやすいです。
「2」では「フェイスハガーのエサにする」ために「繭にする」ので、繭にされた人間は生きていなくてはならないため、ニュートは繭にされても五体満足でした。
ところが「人間をエイリアンの卵にする」というのは一体どういう状況なんでしょうか?
ダラス艦長の繭状態、ブレッドの卵状態は「エイリアン ディレクターズカット完全版」には収録されていますし、画像もググれば出てきます。
この「未採用場面」のスチルはインターネットも何もないのに80年代にはファンの間では語り草になっていたそうです。
どうやら初期の「エイリアン」では、エイリアンは「人間」(というか他の生物)を「フェイスハガーのエサ」と「フェイスハガーを産む卵」と二種類に「利用」するという設定があったみたいなんですね。
つまり「卵はどこから来たのか」には「明確に答えがあった」訳です。
極論すれば「2」での「エイリアンクイーン」という設定は後付けの改悪設定だったと言って言えなくはありません。
ただ、あくまでも「カットされたシーン」であって、「そういう設定の案もあったが、ボツになった」という言い方も出来ます。
この
「ゼノモーフ(エイリアン成体)は、他の生物を「繭(フェイスハガーのエサ)」にも出来るし「卵(フェイスハガーそのものを生み出す)」にも出来る」
という設定があれば、「たった一匹のエイリアンから無限増殖」が可能になります。
「女王バチ」「女王アリ」がいるアリやハチであっても普通に「メス」はいるわけで、別に普通のゼノモーフ君にそうした性質があるってことにしても別に矛盾しないので、今からでも採用していいんじゃないですかねえ。
これが出来るんなら「幾らでも卵が生み出せる」んだから「エイリアンロムルス」で
「遺伝子から再現したフェイスハガーを培養する」
みたいな強引な筋立てにする必要もありませんでした。
まあそうなると、あの「ゼノモーフ(エイリアン成体)」ってオスなの?メスなの?問題が出てきますが。
「完全生物」である「エイリアン」にはオスメスは無いのかもしれません。
恐らく「カタツムリ」みたいな「雌雄同体」なんでしょうね。
(*ただ、カタツムリみたいな「雌雄同体」生物でも「自分で自分とセックスして子供を作る」ことは出来ず、「別の個体」と精子を交換します。エイリアンはきっと「増殖すること」も使命の一端でしょうし、一匹から増殖可能なんでしょう)
幻の「エイリアン3」
そしてもう一つの目玉が
「『エイリアン3』シナリオ合戦 完成版より100倍燃える没シナリオ一挙公開!」品川四郎
です。
ちょっと調べてみたんですが、このインターネット時代なので「エイリアン3ボツシナリオ」は頑張って調べれば結構出てきます。
また、「ボツシナリオ」の一つである「ニューロマンサー」ウィリアム・ギブスン版をコミカライズした商品なども存在するみたいです。
流石にこれをつらつら紹介する訳にはいかないんですが、記事を読んでみたところやはり「エイリアン2の焼き直し」という印象が強い作品群です。
「2」をやった後に「1」の「静かなゴシックホラー」に戻るのは難しかったという感じですね。
かといって「アクション映画」以外の路線に展開することも実質的に難しく(ミステリにできるか?とか考えると頭が痛くなります)、「2の焼き直し」になるのはある程度宿命だったでしょう。
ただ、かなり初期案の「悪魔のいけにえ」みたいなアメリカ南部ののどかな田園風景が映り込み、
「こりゃ何の映画だ!?」
と思わせて、ぐーっとカメラが引いていくと実はそこは「機動戦士ガンダム」に登場する様な「スペースコロニー」だった…という「ツカミ」は悪くないと思います。
その後、コロニー内を舞台にしたエイリアンとのバトルが描かれ…みたいな具合ですね。
ただ、問題は「色んな形態のエイリアン」は出まくっていて、実際に作られた映画にも登場する「犬エイリアン」とか「蚊エイリアン」とか。
ボツ案なんで書いちゃいますが、遂には「ブロブ」みたいに液状化から合体した「巨大エイリアン」が襲って来たり、いざ脱出しようとすると、宇宙船のコンソールがぐにゃぐにゃ変形して…なんて展開も考えられていたみたいです。
こういう展開も面白いとは思うんですが、「エイリアン」なのか?という気はします。
その後は徐々に完成版「3」に近づいて行って…と言う感じですね。
非常によくまとまった記事で面白いので、全部読みたい方は
「あなたの知らない怪獣㊙大百科」(洋泉社)
を中古ででもご購入下さい。
それにしても「エイリアンはフェイスハガーが取りついた生物の形態によってその後の生態が変わる」設定は本当に良くないと思います。
そんな生物無理があるでしょうに。
人は「鳥」を食べれば羽が生えて来るんでしょうか?そんなわけないでしょ。
映画として面白いのは最初だけで後はバカバカしくなってしまいます。
大体、「人間に取りついたフェイスハガーから生まれた」ゼノモーフが「エイリアン(1)」で全く人間に似ていない「ゼノモーフ」であることはどう説明するんでしょうか。
あれでも「二足歩行だからかなり人間に似ている」とか言う積りでしょうか。
だったら「4」の「ニューボーン」とか「ロムルス」の「オフスプリング」(どっちもかなり人間の形状に近い)とかは何なのか…とかね。
まあ、「プロメテウス」「コヴェナント」であの「謎の究極生物:エイリアン」が
「人類によって作り出されたもの(正確には人間の作ったアンドロイドのデイヴィッドによって作り出されたもの)」
という最悪につまんない「設定」が監督であるリドリー・スコット自身によって語られてしまっているんですけどね。
もしもダン・オバノンが生きていたら羽交い絞めにしてでも大反対してくれたんじゃないかと信じています。
まとめ
B級映画などから展開の多くをインスパイアされている
つらつら書いてきましたが、「エイリアン」はその直前(といっても1979年の公開の15年前とかですが)のB級映画などから展開の多くをインスパイアされているというある意味当たり前のことが確認できました。
それこそ「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」だって元ネタや「流れ」はありますからね。というかありとあらゆる作品にそれはあります。
更に、「ボツ設定」扱いではあるのでしょうが、「エイリアンの卵どこから来たの問題」の答えは既に1作目が出していたということが改めて確認できました。
「クイーン」がいないと「2」が無いので、
「ゼノモーフがとっ捕まえた生物を「卵」にすることができる」
設定が改変によって消えてしまうのは仕方が無かったのかもしれません。
ただ、「エイリアンシリーズ」とはいうものの、結局のところみんな
「『エイリアン2』みたいに面白い映画をまた観たい」
という夢を見てるだけでしょ?そういう期待で「3」とか「4」観に行ってガッカリして帰って来てたんでしょ?
そしてその「夢」は「エイリアン ロムルス」で遂に実現したのです。
ということで皆さん「ロムルス」観ましょう。ここで大ヒットすれば「ロムルス」路線での続編もありえます!
「エイリアン:ロムルス」皆んなで観に行きましょう!!
当ブログの「エイリアン:ロムルス」の感想はこちら