漫画「セクシー田中さん」感想と、一連の騒動について
ドラマは未視聴での感想です。
感想は、カイミが書いてます。よろしくお願いします!
一連の騒動について
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
まさか、まさか、こんなことになってしまうとは・・・。
令和6年1月30日の報道で『1月29日、「セクシー田中さん」漫画家・芦原妃名子さん急死 50歳』というニュースを目にし、ショックで数日悲しい気持ちで過ごしておりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
業界全体で問題を考えて、作家を守る対策を!切に願っています
事実関係は明らかになってませんし、一部、脚本家の方を攻撃する向きがあります。
インスタなどで、原作者である漫画家のことを悪くいい、脚本家のファンたちをあおり、漫画家を批判するようなことはしてはならないと思います。
裏方の制作・脚本の方がインスタで俳優とのツーショットを頻繁にあげて、自慢しているのも、ただミーハーな感じで、・・・確かに、良い感じはしませんけれどね。
この問題は・・・脚本家だけではなく、私はもっと大きな問題だと思っています。
脚本家の雇われ元・クライアントは、テレビ局です。
悪い言い方をすれば、脚本家はテレビ局の「言いなり」になるしかない所はあります。
私も印刷や広告など裏方の仕事をしてたから。クライアントの言うことは、聞かざるを得ない所はある。だれがお金を出してるのか、ということ。残念ながら。
今回のこと。出版社は、作家を守ってくれないの!?
漫画家さんは、そりゃフリーランスですよ。
けれど、なぜ、なぜ?
なぜ、出版社がテレビ局から守ってあげないのでしょうか??
おかしいです。SNSで芦原先生が「ごめんなさい」と謝らなければならないまで責め立てたてられたのは、おいつめられるまで放っておくのは、あまりにも冷たいのではないでしょうか。
日本のテレビ局がおかしいなら、AmazonやNetflixでドラマ作れば良いじゃないですか!
テレビ局側の人間が発信するSNSは当初受け入れられ、作家側が少しでも発信すると、黙れと言わんばかりになるのは、パワーバランスが「まだテレビ局の方が強い」と勘違いしている「驕り」があるのでしょうね、若い人は、もうテレビは観てないのにね。
制作費を出してるのは、テレビ局だし・・・というのも、あるでしょう。
日本のテレビは、今や視聴者からは、数多のサブスクと同率で見られて・比べられているのですよ?
驕りはすてて、もっとより良い作品・原作リスペクトのある良作を作るべきでしょう。
そうでないなら、オリジナル脚本のドラマのみにするべきです。
「正社員は守る範囲」だが、漫画家や脚本家は、「それ以外」だから関係ないのかな?
テレビ局社員と出版社社員は「社員」なので守るが、「フリーランス(漫画家・脚本家などの制作スタッフ)」の人達はどうでも良いのかな?とも思いました。
結構、どの業界もそうなりがち。面倒くさいのは、外注して、楽なチェックだけは、社員がして、社員らは外注より給料良いのに、定時で帰るのね(私が印刷業界で外注社員だった時、そんな扱いでした)
忙しくても、作品の根幹となる「核」部分は、リモートでも良いので対面で理解を深めておくべきなのではないでしょうか。
それこそ、正社員なら、管理する立場でしょ!課長や部長になるんでしょ。ゴマすりスキルだけでなく、もっと頭使ってくださいと言いたい。
上司にゴマすってばかりでは、良い作品は作れないのでは?
外注の人ばかりに面倒ごとをさせて、頭使わずあとはほったらかし・・・では、企業としてもダメなのではないでしょうか。
「勉強できる」のと、「賢い」って、違うのかしら?
作家を尊敬できない人は、出版社に就職して欲しくない!!
本当、これです。漫画家・小説家などの作家さんを尊敬できない、ただお勉強できるだけの有名大学卒の人は、本当に、出版社に就職させないでください。
漫画家や小説家を尊敬できない制作者は、実写化して欲しくない。
そして、これ。漫画や、「原作」をどうでも良いと、下に見てる人は実写化して欲しくない。
2度と原作を汚さないで欲しい・・・と切に願います。
脚本家がオリジナル要素を入れてくるのは、迷惑でしかない
「爪痕」は、自分で考えた、オリジナル脚本でしましょう。原作があるのは「脚色」で良いのです。
原作通りに作ったのに、「原作通りでつまらない」と言われるのは?
これは、たまにそう言われているドラマや映画やアニメがあるのですが、これは本当に言いにくいのですが、・・・制作者の、力量不足・・・なのでしょう。
分かり易い例えとして、原作に忠実なアニメ映画「この世界の片隅に」が原作のままでつまらない・・・といってる人、いますか!?
漫画「セクシー田中さん」とは
漫画家・芦原妃名子先生原作の漫画。7巻まで出版されており、作者の死去により未完で連載終了となった。
アラフオーの田中さんは、的確な仕事が評価されており優秀な経理部社員だが、人とあまり関わりを持たないため、社内では「ちょっと変わり者」として見られている。
そんな田中さんは、プライベートでは艶やかなベリーダンサー(ダンサーネーム「Sali(サリ)」)としてステージに立つ。
そんな田中さんのダンスに対する取り組みを見て、周囲の大人は感動し、自発的に行動できるようになったり、考え方が変わったり、大きな変化をしてゆく。
「大人の成長物語」が主軸に描かれている。
・・・と私は、物語を捉えていました。タイトルに反して、繊細なお話なのです。
漫画7巻まで読んだ感想
上記の「セクシー田中さん」でご紹介したとおり、王道ラブストーリーではなく、そういった恋愛描写からは「外している」ところが、この物語の大きな魅力となっております。
もちろん、独身女性が主人公ですし、意中のお相手もいるので、恋愛のことも丁寧に描かれますよ。
ですが、そこだけがメインでは無い!と、7巻まで読んで思いました。
そりゃ恋愛は、独身者にとって大きな出来事の一つですよ。ですが、大人になってくるとねぇ。中学生じゃあるまいし。
「やりたいこと」を見つけた女性の成長物語
主人公の田中さん、とても魅力的なキャラクターなのです。
地味で少し変わった人と見られてはいるものの、仕事はミスがなく、完璧。
長身で、かつスタイル抜群な秘密は、趣味で習い始めたベリーダンス。
仕事はしっかりと正社員で働いてるし、人生を通してのやりたいこと(ベリーダンス)も見つかってる。
・・・と、字面だけだと、とても充実してそうなんですけれど、田中さん自身は、自分に自信が無い方なんですよね。
料理も上手、節約も上手い。相手に対しても気遣いができる人で、特段して悪いところが無いのです。
「そんなことないよー自信持って!」と皆が応援したくなる、とても良い人なのです。
それこそ、故郷のご両親が無理くりお見合いでもさせたなら、さっと早く結婚できてそうな感じもある(田中さんは好きな人がいるので断るでしょうけれど)。
娘の意思を尊重する素敵な親御さんなので、ベリーダンスのショーを見にきたりして一緒に楽しそうにしてらっしゃるのも、本当に親子揃って良い人。
コミカルなシーンがたくさんあって、とっても読み進めやすい
30代の男性と節約友達(?)になるのですが、つい飲みすぎて一緒のベッドで寝てしまった時。(何もないのですが。)
目覚めると、田中さんの、目がしょぼしょぼの、おばさんらしい寝顔が(かわいい)
そんなコミカルなシーンを挟みつつ、田中さんは恋愛経験が無いので、同僚の20代の女性に相談します。
そこでは、しっかりと「アフターピル」の話など真面目に語ったりしていて、ギャグが描きたいというよりは、真面目に伝えたいところまで、読み進めやすいようにギャグを挟んで工夫しているような「親切さ」と「真面目さ」を感じました。
細かいところを話せばどのエピソードも面白くてキリがないのです。
そういった「王道から外したおかしさ」が「なんとも言えない味わい」になっていて、より田中さんが魅力的に感じられます。
そこの「味わい」を汲み取ってドラマ化して欲しかったなぁ。
田中さんと周囲の大人たちの交流に、ほっこりする
登場人物たちも、一癖ある人たちで、本当に魅力的。
20代派遣OLの倉橋は、田中さんのファン1号。一緒にベリーダンスのレッスンに通うほどのファン。世代を超えて、ガールズトークをするような仲になるのに、ほっこり。
倉橋は、可愛い容姿でモテるタイプで、最初は楽な方に流されるようなところもあった。田中さんと出会ったことで、少しづつ、「自分のやりたいこと」を模索する様子が読んでてワクワクしました。
30代の節約友達の庄野は、都銀で仕事もしっかりしており、結婚願望もあるのになぜか独身というちょっと「地雷」を感じる人物(はっきりしすぎている性格がトラブルの種)。田中さんと出会ったことで、これまたどんどん「変化」していく様が良い。
他にも、魅力的な人物たち。
コミックス7巻で、田中さんが意中の人と結ばれる!?という展開で続きが楽しみだったのに。
もう続きが読めないのが、本当に悔やまれます。
漫画家さん、作家さん達が守られる、良い制作現場になるよう、切に願います。読んでいただき、ありがとうございました!!