個人的・おすすめ麻雀漫画12選!(BW)
個人的におすすめの麻雀漫画を紹介します。
ぶらっくうっどです、よろしくお願い致します。
麻雀漫画の魅力
外国人が驚いた「日本の麻雀漫画の専門月刊誌」
在日15年以上で、内閣府公認クールジャパン・アンバサダーを務め、猛烈に麻雀が好きで、論文まで書いてしまったベンジャミン・ボアズ氏はその著作「日本のことは、マンガとゲームで学びました。」の中で驚きを吐露しています。
曰く、「日本には『麻雀マンガ専門の月刊誌』が存在する!?」と。
「ポーカー」「ブラックジャック」「ブリッジ」(どれもトランプカードを使うゲーム)などの「ゲーム」をメインモチーフに持つフィクションは当然海外にも存在します。
私が見た映画の中だとマット・デイモン演じるポーカープレイヤーを主人公にした「ラウンダーズ」は面白かったですね。
ただ、日本の「麻雀マンガ」はそれらとは一味も二味も違います。
ポーカーの映画では、ポーカーゲームそのものの「ルール」には余り触れられることはありません。
「きわどい勝負をしているのだな」ということは伝わりますが、残りカードのカウンティング方法だのルールの穴だのには余り言及されません。
心理戦のポイントも「ハッタリにも関わらず、ここで大きく賭けるか、それとも!?」くらいに分かりやすく絞り込んで演出として魅せてきます。
そりゃあそうでしょう。
大半の観客は「劇映画」を観に来ているのであって、「ポーカー教室のビデオ教材」を観に来ているのではありません。
多くのそうした映画は「人間ドラマ」の味付けとして使っているにすぎません。
ところが日本の麻雀マンガは、「正にそれをやって」いるのです。
河(捨て牌を並べる場所のこと)を眺めまわし、「これはもう2枚切れているから…」「対戦相手の狙っている手を分析するとこれは切っても安全…」とか、本当に麻雀プレイヤーの思考までなぞるのです。
世界中を眺めまわしても、これほど「ゲームそのもの」にディープにフォーカスしたコミックが存在するのは日本くらいなのだそうです。
「麻雀マンガ専門誌」なんてかつては小説まで含めれば全て月刊ではあれ「4誌」存在したのですからそれでもマシになった方だったりするんですが。
「麻雀」は、ゲームとしてどんなところが魅力的?
他のゲームと違い、なぜ麻雀漫画が多いのか?
わが国は「ファミコン」に始まる「コンピューターゲーム」とは別に、ボードゲーム・トレーディングカードゲームなどの「アナログゲーム」の歴史も長いです。
その中でも「麻雀」は手配の13枚と河(「ホー」、「かわ」とも読む)、ドラが見えればゲーム全体をほぼ俯瞰できるため、非常にマンガ向きのテーブルゲームであったようです。
シンプル過ぎず、適度に複雑です。「ババ抜き」ではドラマも何もありません。しかし「麻雀」ならば成立するのです。
例えば「モノポリー」などはかなり処理する情報量が多く、また「麻雀」に比べてもポピュラリティが高いとは言えないため、ルール説明が必要だったりします。
ましてや新興の「ボードゲーム」などではまず不可能。
最もシンプルな部類に属する「宝石の煌めき」というゲームであっても、とても一画面には収まらないほどの「情報量」となってしまいます。
ランダム・運だけでなく、技量が問われドラマティック。アングラな香りも。
しかも、「麻雀」はある程度の「ランダム性」があるため、どれほど追い込まれても一発逆転の夢を見ることが出来ます。
「囲碁」や「将棋」の様な偶然性が全くないゲーム(アブストラクト・ゲームと言います)では「一発逆転」なんてありえないのですが、麻雀にはあるのです。
それでいて「ポーカー」の様に「運」の要素が大きすぎもせず、かなりの程度「技量」も問われます。
非常にドラマチックではないですか。
しかも、「ギャンブル」という側面もあります。
日本における「公営ギャンブル」は競馬・競輪・競艇しかありません。
後は富くじ(宝くじ)程度。
これらは全参加者のお金を取り合うゲームで、プレイヤー同士が直接対戦する訳ではないのです。
つまり、「対人戦」のギャンブルというのは基本的には非合法であり、アングラな香りも漂います。
やくざ映画の小道具として使われることも多く、「アウトローもの」でもあるのです。
何しろ直接相手を攻撃し合うゲームでそこにお金が絡むとなればそれはもう大変なことになります。
私は子供の頃からコンピュータゲームも勿論好きでしたが、「ゲームブック」なども含めたアナログゲームも大好きでした。
なので自然と「麻雀マンガ」にも親しんできました。
妻に言わせると「相当麻雀マンガを読んでいる」部類に入るらしいのですが、余り実感はありませんでした。
麻雀雑誌の懸賞に2回当たる人って、すごく読んでるのでは・・。
麻雀初心者にも安心・おすすめ麻雀漫画10選!!
前置きが長くなりましたが、私が読んできた中でという狭い狭い範囲ではありますが、「おススメ麻雀マンガ」をつらつらとご紹介します。
専門的・体系的に読んできたわけではないので、世代でない作品などには触れていません。
なので、「麻雀マンガ読み」の方にとってみれば「なんであれが入ってないんだ!」ということばかりでしょうけど、そこはご勘弁ください。
また、便宜上「順位」を付けてはいますが、基本的に優劣はありません。
幾つかの基準で並べていますので、是非講評をお読みください。
1 「打姫オバカミーコ」(片山まさゆき・竹書房)
片山まさゆき先生といえば、正に麻雀マンガのレジェンドであり、第1回最強戦チャンピオンです。
多くの作品がありますが、「麻雀初心者向け」に書かれた麻雀マンガ。
確かに基本的な要素が大量に詰まっています…が、私に言わせればこれでもまだ結構難しい…と思いますけどね。
とはいえ、麻雀ルールを覚えたてであれば参考になる内容ばかり。
人間ドラマも見ごたえがあり、最終回に至る流れは感動的です。
2 「Shoichi治外法権麻雀(桜井章一現役時代最大の戦い)」
竹書房「近代麻雀GOLD」と「雀鬼」こと櫻井章一氏との蜜月は長く、数多くのコミックが発売されています。
私も全て読んだわけではないのですが、その中でも「治外法権麻雀編」は「凄まじい」の一言に尽きます。
どうしてかというと「イカサマありあり」というか「相手がイカサマをしてくる前提」の戦いなわけです。
自分がこう積み込んだら相手はこうやってぶっこ抜いてくるから…と言う具合。
恐ろしいのは局によっては全員が自分の前のヤマを積む際に下からガラスで透かしたように「全ての牌」が見えている場面があるのです(漫画を読んでいる読者に、冒頭シーンで牌の並びを全て公開して麻雀を始める)。
つまり、「イカサマ、積み込み」も前提とした「牌の並び」を全て「原作」しているということです。
右回りだったり「国際ルール」に準拠した改変なども幾つかあったりしますが、とにかく次から次へと繰り出される「イカサマ」のやりとりはまるで「忍者」同士の戦いです。
ある程度麻雀を知っている人なら読んで損なしです。
表題のお話とは違いますが、同じショーイチの漫画は、「まんが王国」などでもお試し無料で読めるので、よかったらどうぞ。
3 「アカギ」
いまさら解説など必要ないビッグネーム。「天」という漫画のゲストキャラとして登場し、鮮烈な印象を残して終盤の数巻は主人公ということになっている天をさしおいてほぼ主役級の目立ち方をしていたカリスマ「赤木しげる」の若いころを描きます。
とにかく発想が奇抜で、鳴きさらす牌を間違えて一部倒すものの、実はそれは偽装で別の牌をチラ見せして対戦相手からロン牌を出させる…といった「反則ではないが、限りなくマナー違反」に近い方法論で勝ちに行きます。
それまでの麻雀漫画にはなかった発想だったらしく、プロ雀士の間でも衝撃が走ったそうです。
後半には特殊牌を使った作者ならではのオリジナルルール麻雀戦になってしまうんですが、普通に戦っていても「なるほど」と思わせられる描写も多々。
アニメ化までされ、声優さんにも「打てる人」ばかりが集められたという異色作になっています。
4 「真剣 実録‼︎麻雀で1000万円貯めた男」
ヒサトこと現役バリバリの佐々木寿人氏の「伝記漫画」。
駄目大学生(?)だったヒサト氏が雀荘のメンバーになってどんどん「その世界」に足を踏み入れていく地に足の着いたコミック。
かなり明確に「ハウトゥもの」。といってもヒサト氏の「超攻撃的」な戦い方が基準なので、使用は自己責任で…と言う感じですかね。
「まだまだこれから」というところで終わっているので個人的にはMリーグで活躍するまでとかも漫画化してほしいと思ったりしてます。
5 「無敵の人」
今は別の意味が付与されちゃってますが(爆)、「ライアーゲーム」の甲斐谷忍氏による麻雀漫画。
これだけランダム性の強い漫画で、あそこまで何もかも理論通りに行くのか?と若干の物議をかもしたりもしています。
とはいえ、「ライアーゲーム」の様に純朴すぎる主人公がその「こだわり」で全体を引っ張っていく異色作。
これに限りませんが、それまで麻雀漫画を描いていなかった人が麻雀漫画に進出する例は多く、面白いものも多いです。
6 「鉄牌のジャン!」
誤植ではないですよ(^^;;。
完全に悪役顔の主人公が活躍するかつての週刊少年チャンピオンの看板漫画「鉄鍋のジャン!」の麻雀版。
「あ、この作者も麻雀好きだったんだ」と個人的な好みでランクイン。
途中からオリジナルルールありありになってしまいますが、あの「ジャン」たちが堂々と麻雀やってる絵面が面白かったので。
7 「兎 野性の闘牌」
スタイリッシュ麻雀漫画といえばまずこれが真っ先に浮かぶ方も多いでしょう。
とにかくキャラが端正で立っていて、「麻雀が題材で無かったとしても、この作者の力量なら漫画として純粋に面白い」と言われた作品です。
「確率」と向き合わざるを得ないゲームであるため、どうしても漫画によっては「超能力戦」みたいな様相を呈することもあります。
正直、この「兎」も「超能力戦」ではあります。
何しろ「生まれつきやけに役満が多い体質の男」とか出てきますから。
長期連載で絵柄がかなり変化し、初期のノリがやけに寒い滑りギャグみたいなのも入ってくる様になって、余りにも掲載期間が長いため「序盤、中盤は知っていてもラストをよく知らない」読者が多い点はちょっと「サイレントメビウス」を思わせたりもします。
…が、やっぱりいざ「兎」を再読すると、本当に面白いですね。
戦略のヒントになったり、麻雀のルールや戦略・戦術を学ぶ役には余り立たないタイプではありますが、おススメしたいですね。
キャラ人気が本当に高く、「ファンブック」まで発売された異例の麻雀漫画。
声優さんにもファンが多くて「自分がこのキャラの声をあてたい」と言っている例も。
アニメ化を熱望する声も多かったのですが、現状ではアーケードゲーム、家庭用ゲームなどにはなっていてもアニメにだけはなっていません。麻雀はそんなにコロコロルールが変わるゲームではないので、何年経ってもチャンスはあると思っていますよ。
問題になりえる点があるとすれば一部に性的にセンシティブな描写があることくらいでしょうか。
あと、猟奇殺人鬼みたいなのも出て来るし。
おまけの4コマ漫画は序盤のノリで最後まで行って欲しかったな…。
8 「ムダヅモ無き改革」
ルール無用というかもうムチャクチャ。
描かれた当時、小泉純一郎首相の「聖域なき改革」というスローガンが流行っていたので採用したのでしょう。
実在の人物を大統領だろうが勝手に出場させ、時にはボロカスに負けさせるのも厭いません。
今では評判が悪くなったプーチン大統領などは、この当時なので非常に強いイケメンとして出てきます。
この世界では世界情勢だろうが何だろうが全部麻雀で決まります。
なので各国首脳は全員麻雀のつわものばかり。
何しろ、ツモった牌を親指で削りとって「白」にして「国士無双」するとかもうムチャクチャ。
ところがこんなんで驚いていては読み続けられないトンデモ展開が次々に起こります。
ただ、作者の大和田秀樹氏がガンダム漫画などを筆頭に幅広く活躍していることもあって、ある意味現在において一番ポピュラリティのある麻雀漫画かもしれません。
ノリと勢いだけは凄まじい快作なのでその意味でおススメ。
9 「むこうぶち」
謎の麻雀打ち「傀(かい)」を巡る人間模様。
面白いのが「時代劇」であること。要は「バブル時代」を意図的に舞台にしています。
なので全体的に景気がよく、サラリーマンや自営業の麻雀打ちでも平気数十万円の金額をやりとりします。
かの「アカギ」がたった一晩の戦いを描くのに連載10年を費やし(本当)、一瞬の幻想シーンのはずの「地獄めぐり」を何か月も掛けて描いた(月刊誌なので読者は麻雀牌も映らない妄想を何か月も読まされた)りしているのに比べると、1エピソードが必ず4~5回程度で完結するのは素晴らしいです。
毎回明確にテーマが決まっていて、「鳴きまくりは強いのか」とか「親の上がりやめは実は強いのではないか」とかを証明するために、かならず数回以上の局が消化されます。
「戦局を丁寧に描く」のが日本麻雀漫画の真骨頂とはいえ、これくらいのスピード感は欲しいところです。
「無敵」という印象の強い傀ですが、「最終的には勝つ」ものの、途中の局では普通に負けて100万円単位のお金を払うこともあります。
「必ず最後には傀に負ける」という大筋だけが決まっているので、それ以外の発想は自由。そのため本当に色々なエピソードが存在します。
何しろただ麻雀打って勝って帰るだけなので、まるで「ゴルゴ13」の様にちらっとしか出てこないことも。
連載が長いため、何度も登場する「準レギュラー」も多いのも魅力ですね。個人的に好きなのはやめプロの水原裕太。傀が唯一名前を聞いた打ち手となりました。
あとは赤牌使いの秀。
連載終盤には絵柄がかなり変わってしまっていて、あんなに格好良かった「江崎」とかが信じられないほど不細工になっていたのは残念でした。
永遠に続くかもと思われた連載も先日とある節目の展開を持ってきて完結となった模様です。
正に麻雀漫画界のゴルゴというところで、どこから読んでもいい独立エピソードが多いことから「コンビニ廉価版漫画」の定番ともなっています。
いつか全巻手元に揃えたいけどその時は電子になるでしょう。
10 「天牌」
先日、原作者の先生がお亡くなりになり、未完となることが確定してしまった長編大河麻雀漫画。
正直、最新刊を追うのはかなり前に止まってしまっているのですが、間違いなく面白いです。
多くの魅力的な麻雀打ちたちが次々に登場し、あちこちで個別に対戦してはまた顔ぶれを変えて「夢の対決」が実現する…と言う感じで、正直「永遠に回していられる」構造を持っているんじゃないかと思えました。
何しろ基本的には1人の主人公なのに100巻越えていましたからね。
正直、表紙は全く見分けが付かないんですが。
「外伝」に登場したキャラが本編に合流したり、本編ではお亡くなりになることで色んな展開への引き金を引いた重要キャラが外伝では延々と活躍を続けていたりします。
色々ツッコミどころがあるのも確かではあるんですが、印象的なセリフ回しなど麻雀漫画ファンを惹きつけてやまない作品です。
麻雀マニア向け(廃人向け)・番外2選!
11 「牌賊オカルティ」
「打姫オバカミーコ」が初心者向けの素直な麻雀漫画だとすれば、こちらは「麻雀ジャンキー御用達」の漫画。
片山麻雀漫画は基本的にオリジナルルールは扱いません。
とにかく話題に上がることが多い「デジタル打法」(一切の非効率な切り方をしない)と、フィーリングに任せる「オカルト打法」との戦いになります。
…が、この「オカルト打法」ってのがクセモノ。麻雀打ちなら誰でも感じている「なんかそんな気がする」を「体系化(???)」したもの。
それこそ「連荘は勢いが付く」「いい鳴きは流れがよくなる」とか。
私が最も印象的なのは「前局で強く念じた牌の余韻あり」。
前の局で「七」が欲しい!と念じ続けて結局来なかったとしても、次の局でいきなり引いたりします。
ドラでもなければ手牌に何も必要でなかったとしても。
なのでこの漫画では、「敢えて前局で強く念じた牌で待つ様に手配を組む」とかを平気でやるわけです。
ただ、オカルト打法は「経験則」という一面もあるため、「デジタル打法」と内容が一致することもあります。
「ロウトウ牌になったチュンチャン牌で待て」とかね。
場に「一」が四枚見えてしまえば、「二」が捨てられやすくなる…と言う具合。
とにかく「んなアホな!」と言いたくはなるものの「確かに打っている間はそういう非科学的なことを言っちゃうんだよなあ…」であふれている作品。
12 「凍牌」
タイトルを見ただけで「あー」と言ってしまう人多数でしょう。
作者の志名坂高次氏は絵柄は可愛らしいのですが、その展開のエグさは半端ではありません。
「北斗の拳」はギャグマンガみたいなものなのでともかくも、私もいい年こいた大人なのでそれなりに「残虐な漫画」は読んできました。「EDEN」みたいな。
しかし、「凍牌」はちょっと残虐度のレベルが違います。
違うと言っても、別に全てのコマで臓物を見せつけて来るとかではなく、「負けたら指を落とされる麻雀」とかそういう感じ。主人公を含めたキャラの身体欠損が普通に描かれます。「たかが麻雀」に。あの可愛らしい絵柄で。
あの普通の漫画に見える絵柄で「これ」なので間違いなく「人を選び」ます。
まとめ:個人的おすすめ麻雀漫画12選
- 1 「打姫オバカミーコ」
- 2 Shoichi治外法権麻雀
- 3 「アカギ」
- 4 「真剣 実録‼︎麻雀で1000万円貯めた男」
- 5 「無敵の人」
- 6 「鉄牌のジャン!」
- 7 「兎 野性の闘牌」
- 8 「ムダヅモ無き改革」
- 9 「むこうぶち」
- 10 「天牌」
- (番外)11 「牌賊オカルティ」
- (番外)12 「凍牌」
とりあえずこんな所で。
アニメ化もされた「咲」が入っていなかったりしますが、実はめぐりあわせもあって「咲」には余り馴染んでいないのです。
また、Vシネマは余り見ないのでそちらの「雀鬼」シリーズや、「むこうぶち」シリーズもノーチェックだったりします。
これからも麻雀漫画は読み続けていくことになると思います。
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