劇場版ガンダムジークアクス なぜ面白いのか?歴代ガンダムや、他のアニメなど振り返りながら考えた件その④「新世紀エヴァンゲリオン」

社会現象を巻き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」!最終話をTVでリアタイ視聴し唖然・・・色々と思い出深い・・・

私はリアタイでなくレンタルで一気見したのでダメージは少なかった(笑)
その①→「機動戦士ガンダム」
その②→「機動戦士Zガンダム」
その⑤→「劇場版機動戦士ガンダムジークアクス」


エヴァという衝撃
「新世紀エヴァンゲリオン」(1995-1996)
「新世紀エヴァンゲリオン」(1995-1996)
ガンダム論ながらこれに触れないのはウソです。
エヴァは「ロボットアニメ」という枠すら飛び越え、社会現象を巻き起こすことになります。


まあ、すべてをぶん投げた衝撃の最終回、翌年の映画版をもってしても「あれは何だったんだ?」という状態ではありますが、アニメ業界に与えた影響たるや凄まじいものがあります。
「全話BOX」の発売が盛んになる
ちなみに当時最先端の媒体が「LD(レーザー・ディスク)」で、その後「DVD」に移行するにあたって「全話BOX」の発売が盛んになる時期でした。


こういう話は「アニメ史」では余り触れられないので触れておきます。
その際、多くのロボットアニメを要する「サンライズ」からも幾つも「全話BOX」が発売され、スタッフインタビューなどが掲載された小冊子が付録として付きます。
…そして、エヴァとは全く関係ないアニメにも
「どうしてサンライズでエヴァンゲリオンを作れなかったのか」
と歯噛みする内容のインタビューが掲載されまくっている…というあたりからも当時の空気を察していただければと思います。
こんな調子で、エヴァについては幾らでも書けます…が、これはエヴァ論ではないのでこれ以上はバッサリ省略します。
さて、「エヴァを受けて」初めて作られたガンダムが
「∀ガンダム」 1999年–2000年
でした。
エヴァ後、初めて作られたガンダム「∀ガンダム」
今じゃ普通の日本語になって意味すら変わり始めている「黒歴史」なる単語を生んだ作品。富野監督自ら手掛けているのがミソ。というか自らやってるのでタブー無しという感じでしたね。
アスキーアートみたいな「∀(ターンエー)」は「すべてを含む」という意味なので、理論的にはあらゆるガンダムがここに集約されることにはなります。


エヴァの影響
個人的には「新世紀エヴァンゲリオン」(1995-1996)は「アニメを語るブーム」を引き起こしたことがかなり大きな功績だったと言えると思います。
今では当たり前にアニメのことを語っても許される雰囲気がありますが、放送開始時はあの「宮崎勤事件」(連続幼女誘拐殺人事件)からたった6年しか経っていない時期です。
あの事件のせいで、世間では「ネクラ」「何考えてるか分からない」「気持ち悪い」くらいで済んでいた「オタク」たちは
「連続殺人鬼予備軍」
まで落ち込みます。
TVでは何か陰惨な事件が起これば「犯人の部屋にはアニメグッズが!」とやられていた時代です。いやホントに。

マスコミって、ステレオタイプ・・・
おおっぴらにアニメや特撮のことなど語るなんてとんでもない。日陰者として生きていかなくてはなりません。
信じられないかもしれませんが、「某ミュージックステーション」のランキングではアニメ・ゲーム関係の楽曲を排除したランキングを放送していたほどです。
今じゃ毎週のように「アニメソングランキング」なんてやってるのにね。
そもそも本屋にアニメや特撮を「サブカル的に」取り上げた専門書なんてものは当時の本屋にタイムマシンで行っても影も形もありません。
せいぜいアニメ雑誌くらいです。
それこそ「戦隊ものあるある」で黄色はデブでカレー好きだの緑はちびでピンクは女で…みたいな「あるある」が当たり前に別冊宝島あたりのコンテンツとして登場してきたのがどう早めに見積もっても90年くらいです。
「おおっぴらにアニメを語る」ことそのものを「エヴァ」は称揚したわけです。
「フィルムブック」を始めとした「関連書籍」もダムをせき止めるほどに発売されまくりました。


それがいわゆる「夏エヴァ」(1997)の劇場版(THE END OF EVANGELION)でエヴァの方が「終わって」しまいます。
その後のアニメにも「エヴァ再び」とばかりに「フィルムブック」その他を展開するものの、エヴァには遠く及びません。
当時「ポスト・エヴァンゲリオン」だと思われていた作品として次のようなものがあげられるでしょうか。
「勇者王ガオガイガー」


「天空のエスカフローネ」


「宇宙戦艦ナデシコ」


特撮になりますが
「激走戦隊カーレンジャー」


etcetc…
それぞれ佳作ではありますが、「エヴァ」に匹敵するかと言われれば流石に首肯は出来ません。
つまり「語り足りない」人々が巷にあふれまくったわけです。
この時期に発売されたアニメ関連ムックの惹句として「鉄腕アトムからエヴァンゲリオンまで」というのがあってなるほどと思ったものです。
「新世紀エヴァンゲリオン」は本当に「語る欲」を大いに刺激するアニメでした。
「伝説巨神イデオン」の影響は簡単に見て取れますし、「機動戦士Vガンダム」からの影響も明らか。




そもそも「ウルトラマン」をはじめとした特撮作品からの引用や、そもそも「ガイナックス」という集団がそれまでどういう作品を作ってきたかのフィルモグラフィ等々。
これに「慣らされて」しまったにわかを含む「アニメファン」たちは「これくらい凄い作品は無いのか!?」と探し、そしてこれまで「体系的に考える」ことなどついぞなかった
「アニメを歴史的にメタ視点で見る」
ことを覚えてしまったのです。


どんなアニメも単体で存在するものではなく、「流れ」があります。
しかし、残念ながら「新世紀エヴァンゲリオン」ほど「しゃぶりつくし甲斐のある」アニメなんてそうそうありません。
エヴァ後には「アニメは儲かる」と踏んだ各社がアニメ業界に踏み込んできてバブル状態となり、週に80本の新作が放送されるみたいな出鱈目な状態となり、それは基本的には現在も継続しています。
…ただ、確かに「エヴァ越え」を目指さんとする志の高いアニメは数多く作られてきましたが、どうしても本家には及びません。
及ぶわけがないんです。あんな訳の分からんアニメに。このあたりをちゃんと書くとまた大変なことになるのでここでは触れないでおきます。
そしてアニメファンは気付いてしまったのです。
エヴァを分析しようとして「アニメの歴史」を学ぶ中で、「かなり特異なシリーズがある」ことに。
そう、それが「ガンダムシリーズ」でした。
はい、ここで話が「ガンダム ジークアクス」に繋がるんですね。

遂に次回、ジークアクス劇場版の感想です!

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