劇場版ガンダムジークアクス なぜ面白いのか?歴代ガンダムや、他のアニメなど振り返りながら考えた件その⑤劇場版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning」

ここまで「新世紀エヴァンゲリオン」によって巻き起こされた「アニメ語りブーム」の中で「ガンダムシリーズ」が「再発見」されたというお話をしてきました。

その後、傑作である「水星の魔女」を生み、最新作に辿り着くまでの足跡を振り返ってみましょう。
ガンダムシリーズについて
多くのクリエイターが独自色を発揮しながら紡いできたシリーズ
日本のアニメ史上、ここまで同一の世界観で多くのクリエイターが独自色を発揮しながら紡いできたシリーズは無いでしょう。
1995年の時点ですら作品数は膨大であり、TVシリーズ、OAV、映画と媒体すら多岐にわたるため、すべてを網羅することすら難しいものでした。
「ガンダムセンチネル」を筆頭に、これが書籍だの小説だの、マンガだのにまで広がると相当なガンダムファンでもすべてを追うことは至難の業です。
…そう、「語り甲斐」が大いにあり、しかもそれをちゃんと受け止めてくれる存在こそが「ガンダムシリーズ」だったわけです。
ただ、言い方を変えれば「紆余曲折」を繰り返してきて、「会社として頼るコンテンツがガンダムしかなかった」というサンライズの事情もあります。
そのため、あたかも「違法建築の建て増しを繰り返した」様な歪な状況になっていたりもします。
権利関係は複雑で、様々な事情が渦巻いてもいます。
これだけの看板シリーズなのに、「SEED」や「AGE」みたいなけだし「迷作」が生まれてしまったりもするのです。
確かに「エヴァ」のたった半年で一生を左右するほどの「熱にうなされたような」熱狂的な盛り上がりはしないものの、「語り甲斐」はたっぷりあるのです。
日本で私しか言ってないので重ねて強調しますが、「エヴァ」の時点では「そんなのもあったよね」状態だった
「機動戦士ガンダム」
シリーズは、「エヴァ」によって引き起こされた「アニメ語りブーム」で「再発見」され、現在の隆盛に繋がっていると思うのです。
そして、「問題作」が登場します。
「機動戦士ガンダムSEED」2002年–2003年
ガンダム中興の祖


「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」2004年–2005年


放送終了から20年を経て、散々アナウンスされながら立ち消えた企画として半ばネタとして有名だった「劇場版」が公開されるなど、「時を経て」再びブームとなっています。
「SEED」は5年ぶりのTVシリーズであり「ターンエー」が土曜夜19時放送であったのに対し、いわゆる「土5」枠の前身となる「18時」から放送されました。

記事内容、興味深くはあるけど・・・これ、ジークアクスの感想だよね!?いつ始まるの?(怒)

・・・もう少し我慢してください。
「地上波の夕方」に放送された「王道」ガンダム
かなり久しぶりに「地上波の夕方」に放送された「王道」ガンダムということで、この時期に子供時代を送り、最初に触れたガンダムであるという熱烈なファンも多く、ソフトも大きく売れ、まさに「中興の祖」とでもいうべき存在です。
現在も続く「ガンダム」ブームが継続しているのもこの2作が人気のバトンタッチに大きく貢献したことによるものであることは間違いないでしょう。
ただ…内容的にはお世辞にも褒められたものではありません。
当時もガンダムオタクからの反発は強かったことを覚えている方も多いでしょう。
「ワープ」と言われる「爆死した人間が別の場所で生きていた」現象も多発。それでいて「何がどうしてこうなったか」を全く説明しません(本当)。用語の使い方もデタラメ。ご都合主義連発。等々。
一応は「戦争」をモチーフにしているのですから、その辺のディティールはちゃんとすべきです。
例えば「アークエンジェル(大天使)」などというおおよそ戦艦に付けるとは思えないセンスの名前…は一旦置くとしてそのブリッジには「少佐」が2人います。
戦艦の指揮は「大佐」クラスが一般的ですが、そこをさておいても「同格(少佐同士)」が指揮系統を巡って毎度ブリッジで怒鳴り合いをするなんてありえなさ過ぎてひっくり返りそうです。
即断即決が乗員全員の生死に直結する緊迫の場面で指揮が割れるなんて「普通の会社」だってありえないでしょう。
「戦争」のリアリティラインが「悪い意味」で「少女漫画」レベルなのです。いや、そんなことを言ったら少女漫画にも失礼でしょう。
「SEEDシリーズ」(ファンは「種」「種デス」などと呼ぶ)は「一事が万事」全部この調子です。これでもまだマシなところを拾っています。
脚本家がとりあえず何となく覚えた用語を使ってみたかったとしか思えず、「本格的武力衝突」とか「MIA(えむあいえー・戦闘中行方不明者)」とかを乱発します。
恐らく何かに置き換えられるんでしょうが、普通の単語ならともかく「アルファベットの略称」はあかんって…。それ米軍の軍事用語やで。つかその世界には「アルファベット」があるの?
普段は「BL」とか「やおい」ばかり書いてきた作家が「ガンダム書け」と言われて並みいるベテラン脚本家をおしのけてにわか勉強で適当に書いたとしか思えない有様でした。
はっきり言って「偶然」観た私などは惰性で最後まで付き合いましたが、毎週毎週テレビの前で悶絶ものでした。
正直言って話の展開が「その場の思い付き」にしか思えませんし、不必要に残虐な場面も多いです。
現在、地上波では深夜であってもホラー・スプラッター映画の放送は困難でしょう。にもかかわらず「特殊兵器で人体が破裂」とか「大量に押しつぶされる」とかの場面がバンバン出てきます。これ、「ガンダム」ですからね?「BLOOD-C」じゃないですから。
それもこれといって展開的に必要とも思えません。
また、TVシリーズ中明確に「童貞を捨てた」主人公も史上初でしょう。それもサブキャラから寝取って(本当)。
マチルダさんと一緒に映った写真を入手して飛び上がって喜んでいたアムロは遠くなりにけり。
まあ、これらも全部脇に置いたとしても、「それ以前」の問題が多すぎでした。
読んでいる方は「この上まだ何かあんのかよ!?」と思ったでしょうがそうなんです。
一番の問題は「製作が間に合っていない」ことでした。
とにかく「3話に1話は総集編」という状態でした。総集編でない回も「異常」なくらい「回想シーン」が多いのです。
「機動戦士ガンダム」の中でも特に強い印象を残す「ランバ・ラル」ですがたったの「3話」しか登場していないことはご存じでしょうか?その内1話は「顔見せ」みたいなものなので実質2話くらいです。
この「ランバ・ラル編」みたいなのをだらだらだらだらと「10話」くらい引っ張る構成力の無さ…は内容の話ですね。形式の話に戻ります。
OP前に本編をある程度流すことはもう一般的な手法ですが、OPが始まるまで「10分」掛かった回すらありました。
流石に長すぎです。本編…というか、放送時間の半分終わっています。
余りにもチャカチャカと回想場面を挟むので、ある週は「数えて」しまいました。
なんと「700カット」もありました。
一般的な30分(OPEDやCMもあるので正味23分程度)アニメで300カット程度と言われるのでその倍以上です。
こんなに回想していたら「同じ場面」が何度も繰り返されるのも当たり前で、「ニコル」というキャラの戦死場面なんぞ1回の放送で3回くらい出てくることも。いや本当なんですって!
これはもう正直「作品の体」を成していません。
実際、終盤に至ると「その週の新作部分は5分くらい」なんじゃないかという状態でした。一応ちゃんと完結はしました。
それでも大人気なので私みたいなのが口をはさむのは大きなお世話なのかもしれません。
ただ、当時の「心ある」ガンダムファンの中でも「SEED」シリーズを我慢して観ていた勢はこう思っていたでしょう。
「なんでこうなっちゃうの!?」
歴史も長く、「映像化されていない」派生作品も星の数ほどあるこのシリーズ最新作がなんでこんなトンチキな出来になってしまうのか!?
何らかの別の力学が働いているんじゃないか?と勘繰りたくなります。
「機動戦士ガンダム00(ファーストシーズン)」2007年–2008年
‘「機動戦士ガンダム00(セカンドシーズン)」 2008年–2009年
「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」 2010年
個人的に大好きなシリーズで、「西暦」を採用し、軍事顧問までいる本格派。美少年四人組路線だとか「イケメンガンダム」だとか言われますが、恐らく直前に展開されていた「コードギアス 反逆のルルーシュ」の影響を受けた「海外ドラマ」を彷彿とさせる「クリフハンガー」演出など非常に完成度が高いアニメです。
まあ、「劇場版」は個人的には無かったことにしたいですが…。
こういう「地味な中ヒット」作を「ガンダム」という看板によって商売的にも無難な成功を収める方法として使うのはお互いにWin-Winの関係と言えるでしょう。
ぶっちゃけ「00」は単体で記事にしたいほど愛着のあるアニメです。
ガンダムAGEという悪夢
「機動戦士ガンダムAGE」 2011年 – 2012年


あれだけ問題だらけの「SEED」シリーズでも「商業的に成功している」「新しいファンの獲得にも成功」と古参ファンも認めざるを得ない功績があるのに対し、こちらは大量のプラモデルが売れ残り、評判も散々で「ワースト(最悪)ガンダム」の二つ名をほしいままにする大問題作です。
「AGE(時代)」のタイトルを背負っている通り、「代替わりしながら100年を描く」という看板で始まったのに、最終回まで初代主人公がじじいとして出張りまくる、最終回の最後の場面で時間経過して銅像で登場…という展開は…まあいいでしょう(いいのか?)
一応「ガンダム」というからには「リアルなミリタリー路線」を志向して欲しいのに「今週のビックリドッキリメカ」みたいにその場でガンダムの兵装を作っちゃうという「おもちゃ感覚」です。
とにかくいちいち書いているとキリがありません。
こういうアニメを見ているとあの「ガンダムX」ですら「いかに志が高かったか」と天を仰がざるを得ないのです。
ところがほぼ同時期に「真逆」のガンダムシリーズが登場するのですから懐が広いものです。
「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」 OVA 2010年–2014年


ガンダムファンによるガンダムファンのための…というOAV。
「0083」もある意味そうでしたが、これは更に世代が下がってなおガンダムをリスペクトしきった一作です。
問題が無いとは言いませんが、正にファン待望の「ミリタリー」寄りの作品。
宇宙世紀もののガンダムは全作品履修が必須。
むしろ「いちげんさんはお呼びでない」といういっそすがすがしい作風でした。
正史(カノン)を代表する一作で、今後も「ビルドファイターズ」などの派生作とは別にこうした王道のガンダムが紡いでいくのだろうなと思わせる作品でした。
「ハサウェイ」の続きはよ。
最後にもう一作だけ紹介して終わります。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」 TVシリーズ
水星に魔女はいた
Season 1【全12話】 2022年 – 2023年
Season 2【全12話】 2023年
ガンダム初の学園ものにして、初の女性主人公(*)という異色ずくめの作品。主役のスレッタ・マーキュリーが褐色の肌であり、かつヒロインと同性愛関係になるなどLGBTに配慮したのではないかという物議も醸しました。
(*「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の登場人物のクリスチーナ・マッケンジーが主役の小説があるので、アニメにおける初主人公という意味)
正直、「ガンダムのTVアニメ」は決してクオリティが高いとは言えないものだったのであまり期待していませんでした。
また「X」みたいな別アニメに「ガンダム」の名を関しただけのものか、「W」みたいな爆笑の珍作になるか、はたまたSEED、AGEの再来になるのか…。
ところが、謎が謎を呼ぶ展開にグエルという最高の愛されネタキャラの大活躍、「ダブスタクソおやじ」などの名言の数々、後半にやはりやってきたシリアス展開と、毎週の様にネット上で「考察」が盛り上がるなど、最高の話題作となり、大成功を収めました。
これには、「アニメ」を取り巻く環境ががらりと変化していたこともあります。
恐らく「君の名は。」「鬼滅の刃 無限列車編」あたりからのアニメブームの恩恵を最大限に受ける形で展開し、かつ本編もそれに負けない骨太の作品だったことが要因です。
また、かなりのガンダムマニアがスタッフとして参加しているのは間違いなく、モビルスーツ群も非常にデザインがよく、ガンプラも「転売ヤー」との戦いになるほど大量に発売され、そして売れました。
お菓子の「エアリアル」がこれに乗っかってきて、ガンダムパッケージを作るといった「アニメコラボが当たり前になった」世相もよく反映されています。
それこそ妻は先日「エアリアル」のプラモデルを入手したのですが、発売直後なんてまあ手に入らなかったこと!


…ただ、このアニメで「ガンダム」が好きになったという人が過去のガンダムを見ようとしたとしても
「全部がそんなに面白いわけじゃないよ」
とだけは言っておきます。
劇場版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」
「一年戦争でジオンが勝った世界」の様子を描いた作品
でもってやっとここに到達しました。
劇場公開されている間にこの原稿を仕上げようと思っていたのですが、これを書いている段階で放送は2回目になってました。
ただ、あまり本質的なことは変わりません。


第2回目の放送で、劇場版「Beggining」で描かれた前半パートまで消化しました。
これが「一年戦争でジオンが勝った世界」の様子です。シャアがなんとサイド7を襲った際に自ら赤いシャアザクを乗り捨て、ガンダムに乗り込んで強奪し、ホワイトベースまで奪ってしまう…という衝撃展開です。
まあ、すれっからしのファンだと「0083」の様にのっけからガンダムを盗まれるシリーズは割とあったし、「ZZ」「X」の様にジャンク屋に主役機を売り飛ばそうとする話も割とあったことはありました。
ただこれはレベルが違います。「こんなことが許されていいのか!?」と。
これはもうアメコミの世界ですね。
アメコミはメインキャラが余り世代交代せず、それこそ50年前に生み出されたキャプテン・アメリカとかアイアンマンとかスパイダーマン、スーパーマンやらバットマンを未だにこすり続ける業界です。
公式でやるべきことをやりつくしてしまったため、「もしもシリーズ」みたいなことを結構やってます(本当)。
「スーパーマンがソ連に落下していたら」とか「マーベルキャラがゾンビになったら」とか。
「もしもジオンが勝っていたら」を公式がやっちゃったわけです。
正直、この「そんなことやっていいの!?」というタブー破りは大いに注目を集め、TVアニメの先行公開…つまり、待ってればいずれタダで観られる…ものでありながら、熱烈なリピーターを生み、ガンダム映画歴代興行収益第2位の記録を作るほど大ヒットしました。
どうしてジークアクスはこんなに面白いのか
タブー破りをしてるからという単純なことではない
しかしこれ、単にタブーを破ったからこんなに受けている訳ではありません。
何故なら、「タブー破り」を行った歴代ガンダムシリーズなんてわんさとあるからです。
というかクリエイターたるもの「ガンダム」やっておきながら「ガンダム何するものぞ」とばかりに「我」を出してきてダダ滑りしちゃってるわけです。
はっきり言うと「ガンダムとして」というより「アニメとして」猛烈にレベルが高い人たちが、ちゃんと「ガンダムを作って」いるから完成度が高くなったのです。
細かいことを言い出せばキリがないのですが、例えばザクの起動画面で「ZEONIC」の文字が浮かびますが、これは言うまでもなくザクの開発元が「ジオニック社」であることからです。
「そんなん当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、申し訳ないんですけど「X」とか「W」「SEED」のスタッフにそういう「細やかな気配り」ができたとはとてもじゃありませんが思えないんですよ。
逆に「UC」スタッフならやりそうですが。
今もってどういう意味なのかよくわからない「5倍以上のエネルギーゲイン」という謎セリフも、シャアはしっかり発音しています。
この「分かっている」感じが与える安心感がガンダムファンを虜にしたと思われます。
実は「ガンダムパロディ」の歴史は古いのです。
「アベノ橋魔法商店街」というOAVがあります。まあ、アニメファンのお遊びみたいな楽しい妄想みたいなアニメですが、この中に
「おれを踏み台にしたぁああああ!?」
というセリフがあります。
言うまでもなく「機動戦士ガンダム」で重モビルスーツ・ドムを操る「黒い三連星」がジェットストリーム・アタックを仕掛けてきたのを上に飛んで交わしたガンダムが先頭のドムを踏んで跳躍した際に敵が放ったセリフです。
このアニメではガンダムのガの字も出てこないので、この面白さが分かるのはこのセリフを暗記するほど観たガンダムファンだけということになります。
「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」「ええい!連邦のモビルスーツは化け物か!」「認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを」「左舷弾幕薄いよ!何やってんの!」「アムロ!行きまーす!」
などと並んで、ガンダムの名セリフと言えばというほど有名な「踏み台」発言ですが、恐らくこれを「パロディ」として最も早く使った例は
「聖戦士ダンバイン」
の劇中でのことです。そう、放送数年後のこの時期にもう「自己パロディ」しているのです。
要は「アニメ力(あにめぢから)」が物凄く高い
いちいち細かく書きませんが「印象的な名場面」をしっかりカメラアングルから何から「再現」してみせたり、要は「アニメ力(あにめぢから)」が物凄く高いのです。
今回の映画で印象的な人物といえば、当然サブタイトルにまでなっており、劇中の非常に大きなキーワードである「ニュータイプ」第一号という名誉に預かりながら本編ではたった一話でガンダムに倒されて戦死してしまう「シャリア・ブル」でしょう。
しかし私は「フラナガン博士」が印象に残りました。
TVシリーズ「機動戦士ガンダム」で名前だけ登場する「フラナガン機関」を統べる人物であり、当然ニュータイプのカギになる人物です。
この人物を出すだけで「分かっている」感が凄いわけです。分かります?
凡百のクリエイターならば、ガルマやデギンなどの「何となく自分も聞いたことがある」人物をひっくい解像度で適当に出すのが関の山でしょう。
そして、私みたいなにわかすれっからしに「どうせならフラナガン博士とか、シャリア・ブルとか出せよ」と突っ込まれてしまうわけです。
そもそも月面基地グラナダは、TVシリーズではハブられた存在です。
ソロモン(こんぺいとう)⇒グラナダ⇒ ア・バオア・クー⇒サイド3
の順で攻略していく予定が、打ち切りによってグラナダとサイド3のエピソードがごっそりカットされてしまいました。
なので、グラナダは「ガンダムは何回か見たんで何となく知ってる」レベルの人間にはあそこまでメインの舞台にできる存在じゃありません。
ホワイトベースが地上に降りないため、当然生きてるマ・クベは「キシリア派」なのできっちりグラナダにはいるとかの目端も利いていて言うことありません。
それでいて、シャアがソロモンでアナベル・ガトーとすれ違ったり、シャリア・ブルがジョニー・ライデンと言葉を交わしたり…みたいなことはわきまえるわけです(尺もないけど)。
正直、庵野秀明というクリエイターは私の中では毀誉褒貶が激しい存在なのですが、今回ばかりはあっぱれというところです。

この記事をあげるのが遅くなってしまったので、世間では乃木坂の小ネタがジークアクスに入ってるので持ちきりになっちゃった

・・・アイドルもアニメも好きだけど、まさかねぇ・・・ちょっと度が過ぎてるとしか・・・
まとめ
今回の主人公であるマチュやニャアンたちの話をほとんどしてませんが…正直こちらは劇場版を観たところでは、未知数というところ。
しかし「ジオンの勝利したもしもの世界」ともなるともうのびのびやれると思います。
繰り返しますがこのアニメ力の高さは歴代ガンダムの中でも最高峰。今からでも見るしかないです。
おまけ 個人的「初心者ならまずここから」ガンダムベスト
殿堂入り「機動戦士ガンダム」(ファースト)


これが無ければ始まらないですね。
全43話はさすがにしんどいという方は劇場版3部作がなんだかんだでよくまとまってるのでそちらもおすすめ。
1位 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」


ガンダムとは何かとか一切知らなくても全く問題ない独立した作品として楽しめます。
笑いあり涙あり、学園スポーツガンダム?と首をかしげる人も全体としての満足度はとても高い「まずこれから」ということなら自信をもっておススメできる作品。全24話と比較的コンパクトなのも〇。
見終わった後「リアルタイムで体験したかった」と思うことでしょう。

フレッシュトマトはリアルに体験して衝撃でした・・・
関連動画で有志がまとめてくれている情報などを観るのも楽しいという正に「新時代のガンダム」です。
2位 「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」


なんか「00」言うと笑う人がいるんですが(怒)、間違いなく傑作。
宇宙世紀ではなく西暦を採用し、主人公たちがテロリストグループという問題作。ただ、それは「戦争を止めるため」であり、戦場に乗り込んでいって双方をボコボコにすることを繰り返す「ガンダム版デスノート」みたいなお話。
ところが、これを逆利用する国家が現れる(一方的に仕掛けておいて、戦争ってことでやってきた主人公たちに叩かせて自分たちは早めに撤退する)など考察も行き届いてます。
SF考証(軌道エレベーターとか)も凄いし、なんとアニメなのに「軍事顧問」までいる。
特に前半・後半とも数話掛けて描かれる「ラストバトル」は本当にすごい。
同時期放送されていて影響を受けたであろう「コードギアス 反逆のルルーシュ」ばりに「クリフハンガー」が多用され、飽きさせない。話数は多いが付き合う価値あり。
超おすすめ。
ただし、劇場版は観ない様に・・・。
3位 「機動戦士ガンダム0083」


「ガンダム」「Zガンダム」までは履修した方がいいのが惜しいけど、最悪それが無くても十分楽しめる。
OAVなのでお金が掛かっていて映像もド迫力。「ZZ」や「X」みたいにど素人が乗り回すんじゃなくてちゃんと軍隊してる。
衝撃的なラストには賛否両論あるだろうけど、「コロニー落とし阻止」という大スケールミッションは見ごたえあり。
4位 「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」


前半は「能天気ガンダム」の悪いところを詰め込んで煮しめたみたいなダメ作品だったんですが、後半になって監督交代したあたりから怒涛のミリタリーガンダムに。
前半で展開された展開を必死になって回収しながら、MA「アプサラス」や何といってもガンダムシリーズ屈指の好敵手「ノリス・パッカード」との死闘!
とにかく前半!前半さえ我慢してくれれば後半怒涛の展開に!
ベストに挙げる人が多いのも納得の傑作(後半に限る)。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!