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漫画「アイアムアヒーロー」(22巻のラストと、その後出た『完全版』で追加された265話)感想(カイミ)※ネタバレ有り

kaimi
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この記事は、2017年10月21日にシーサーブログにて書いた内容に加筆・修正しています。

感想は妻の方、カイミです。よろしくお願いします。

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夫婦で読んだ感想が違う花沢漫画の魅力

映画化(映画、未見の方はおすすめです!ぜひ観てください。)もしたゾンビ漫画「アイアムアヒーロー」の漫画を全巻読み終えた後、夫と私の感想は、同じところもありつつ、違うところもありました。

「アイアムアヒーロー」作者の花沢健吾先生の漫画は、オタク夫婦ともども好きです。

まず「アイアムアヒーロー」が刊行されていた途中で、初期の作品「ルサンチマン」「ボーイズオンザラン」と読みました。

面白いことに、この先生の漫画は、夫婦で読んだ感想が違ったりします。

私たち夫婦は趣味が合うほうなので、男性が読んだ時と、女性が読んだ時の違いもあるのかもしれませんね。

たまに作品のことを思い出してワイワイ語り合ったり、漫画を読み返したりします。どちらかというとハマって読んでいたのは私で(漫画『ルサンチマン』を購入したのは私…)、夫にも読んでもらうと、面白い感想だったので日記にまとめてもらったこともありました。

夫の感想「漫画「ルサンチマン」「ボーイズオンザラン」に見る花沢健吾先生の作家性」で書いているような感じで、子供の頃から少年漫画を読み続けた夫は、ほろ苦い展開を見せる花沢先生の作風にモヤモヤしつつも楽しんだようでした。

私はというと、すごくリアリティを感じる花沢先生の作品はとても面白く読んでました!

元々デビュー作から絵の上手い先生ですが、「アイアムアヒーロー」くらいからの超絶作画は特にすごくて。

登場人物たちのちょっとした仕草など細かな動きの描写が、「映画みたい」な臨場感を持って紙面から感じられるのです。

漫画で、ファンタジーな設定が入っているのに、なぜかとてもリアリティを感じるのです。

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通常版の22巻、264話完結までの感想

私は「アイアムアヒーロー」にどんな感想をもったかというと、

最初から結論言いますと、

いろんな意味で楽しめました!

面白かった。笑。

といった感じでした。

では、当時書いた264話までの感想と、続いて完全版の「264話のその後」が描かれた(と思われる)「265話」の感想です。

↓商品リンクは、「完全版」の方の漫画ですね。この最終巻は、「265話」まで追加されたものです。

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この漫画の事は、以前から表紙を眺めては「面白そうだな〜」と気になってました。

まずコミックス1巻のお試しを立ち読み「コレは面白いな〜」と興味を持ちまして・・・。

そして実写映画を観て「日本でもヒットするゾンビ映画作れるのね!」と嬉しくなり、最終巻までコミックスが出たとのことで、レンタルで一気読みしました。

・・・21巻まで読んだところで、最終巻は22巻・・・。

あれれ、あと1冊で終わるかな?謎が解決されるかな?と不安に思い・・・。

最後(264話)まで読み終わると。

軽いパニックに・・・。

・・・謎や伏線らしきものが、何も回収されていないっ。


これは打ち切りなのかな・・・?

それとも、伏線回収を諦めて、投げ出してしまったのか・・・?


それにしてもラストシーンの描き込みは丁寧でキレイ、ゆるぎない感じを受けるし・・・。


最終巻コミックスの内表紙には「終わりだ」と大きく書かれてあるし。


・・・とすると、ラストシーンのこれ(雪の中、鹿を打ってさばくと、鹿は妊っていたようで鹿の胎児が出てくる・・・それを見て英雄は涙するも「かかってこいよ俺の人生」と言う、そして雪の中歩き出す・・・)は作者の狙い通りを貫き通したのかなぁ・・・???

2〜3日は最終話のことが気になりすぎて、そちらの方へ意識を持ってかれました。

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読み終わった後に買い物行く時、車の音楽は何故か普段は聞かない『エンヤ(Enya)』の曲をかけました・・・。
ラストシーンで、雪が降ってたからかなぁ・・・。

夫と食事中に別の話をしていても「ところで、アイアムアヒーローの終わり方って・・・」と話しだす始末。

何であのような終わり方にしたのでしょうね〜。
(伏線は少しだけでも良いので、『寄生獣』みたいな説明は欲しかった・・・。)

私は何で驚いて意識を2・3日もってかれたかと考えると、ロメロ監督の「ゾンビ」を観る感覚で、漫画を楽しんでいたら、

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最終話を読み終わった後は・・・単館系の難解な映画見た後のような感じに。

「?これって、何だったのだろう?何が言いたかったのだろう???」もう「?」でいっぱいになりました。

最終話264話のことを調べると、これは映画「アイ・アム・レジェンド」のようなサバイバル生活をしてるのですね。

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この映画のようなシーンを描きたかったのは、もしかすると最初からあったのかもしれませんが・・・。

考察?:「人の本質は、簡単には変わらない」という恐怖


英雄が最後の最後まで、元漫画家としてのスキルを全く発揮せず、弾作りに没頭してるのは悲しすぎました〜。


別のところで生き延びている中田コロリは、何故か若返ったおばちゃんと子供を作って、幸せそうだし。しかも英雄のラフを改善して漫画を描いてるんですよ・・・。

序盤にしか登場していなかった中田コロリが別コミュニティで生き残っているのを漫画で見た時は、「これは、英雄の最終対決相手は、ゾンビではなく実は人間(中田コロリ)なのかな!?比呂美ちゃんを取り合うのかな?」と、一人でワクワクしたけれど、それもならずにガッカリ。

う〜〜む・・・・・・。
この漫画、背景の描き込みや、登場人物の細かい表情(寝起きの英雄がメガネをかける時の表情とか・・・すごいなと思った)など、ディティールの作り込みが素晴らしくて、丁寧な感じにとっても好感を持っており、それだけに難解なラストにはちょっと残念かも。

終盤の何話か、のことですが・・・主人公の英雄は最後の最後まで、当初と何も変わらなかった、というメッセージなのかな???


「絶体絶命の非常事態」が起ころうが、起こるまいが、勝ち組(中田コロリ)と負け組(鈴木英雄)は変わらない・・・人間の本質は生まれ持ったものと変わることは無い・・・という事が言いたいのかな??


そうだとすると、これは「最後に全員死ぬ」というオチより、とてもとても救いの無い超バッドエンドのような・・・残酷すぎる・・・つらいです!


最後、英雄は淡々と孤独に暮らしてますけれど、想像している以上にどこまでも孤独なので・・・怖いですね。普段は大勢の人に囲まれているから「一人になりたい」時はあるけれど、最初から「どこまでいっても永遠に、たった一人の世界」というのは、ゾッとします。


怖さの種類は違うけれど、これはこれでゾンビよりも怖いかも、と思ったり・・。

元々、花沢先生の漫画はこれまでも「人の本質は簡単には変わらない」ことを描き続けてきたところはあるので、作風でもあるのかもしれません。

3部作・・・になってるかも?

よく映画監督などでは、3部作といわれたりしますが、「ルサンチマン」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「アイアムアヒーロー」が、たまたま3部作的になってるなー・・・と読み解くのも面白いです。

この3作品は、ジャンル等は違えど、ヒロイン2人と主人公という所は共通しています。

決定的な終わり方をしてないので、色んな妄想が膨らむのは楽しい。

私は、最後は秀雄が漫画を描いて欲しかったなーと思ってたので、妄想を2つほど。

妄想1:

英雄が最終話で鉄砲の弾作りをするのではなく、ZQNの血清やZQNの生態などをシロウトなりに研究していたりしてもよさそうなのにね・・・。

それを漫画で記録してたりとか。英雄が死んだ後、その記録漫画を読んだ専門家(医者とか?)によって、本物の血清が作られ、ZQNハザードが収まり、復興に向かって・・・みたいな風にだってできたかもしれないのに(そして伝説の漫画家になった、みたいな・・・)。

妄想2:

漫画のラストのように、もしも人が生き残るなら、ゾンビコメディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」のようにゾンビハザードが(理由はわからないけれど)終息するまで描き、(漫画ほど日本が壊滅状態になってない状態で復興が進み)日常生活ができるレベルまで戻る方が面白かったかなぁ・・・とも思いました。

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秀雄はZQNになって漫画を描くことしかできなくなり、なぜか人間に戻った小田さんとひろみちゃんがマネージャーとなって秀雄に漫画を描かせ続け(働かせ続け)、ベストセラー作家となるも秀雄に自我は無いので、本人はわからないとか・・・。

その後、「完全版」の265話を読んだ感想。

完全版で追加された、264話の続きと思われる、265話。

雪の中1人歩く英雄は、巨大化したZQNらしきものに遭遇します。

なんと、その巨大なZQNは、「ZQNらしきもの」を生み出しています。

ZQNが増えたら、食料・物資の多い東京に住み続けられなくなると思った秀雄は、銃で次々と生み出されるZQNを撃ちます。

・・・大量のZQNを撃ち続け、産み終えたようでZQNの動きが止まったかと思いきや、雪の中英雄の足元に、「見た目が人間の赤ちゃんのようなもの」が産み落とされたのを見つけます。

どうも、ZQNが最後に産み落としたその生物は、どう見ても人間です。

「鈴木ひいろ」ちゃんと名付けた英雄は、2人で北海道へと向かう・・・。

という内容でした。

私は、この「ひいろ」ちゃんは、比呂美ちゃんの生まれ変わりだと思っています。

そうであってほしいです。

ですが、「これまでの人類でない」・・・とも思っています。

比呂美ちゃんは、ZQN化しつつも人間の形を保っていたので、「ちょっと人類を超越した存在」だった(怪力だったりしましたね・・・)。

ZQNが現れて、これまでの人類を滅ぼし、新たな人類を創造して・・・とも考えられます。

中田コロリと一緒にいたおばちゃんは謎の若返りをしてるので、あのハザードで生き残った旧人類も、「何かが変わって」いる可能性がありますよね🎶

・・・とか考えると、楽しくないですか!?

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まとめ:読む価値は・・・大アリですよ!

「アイアムアヒーロー」はこんな人におすすめ

  • ゾンビが好きな人!
  • いろんなタイプのゾンビが見たい人!
  • ハラハラしたい人!
  • 超絶作画の漫画を楽しみたい人(電子書籍だと、細かな描写がさらに凄まじかった)!
  • 想像の余地がある、不思議な余韻のある作品が読みたい人!

最終話を見ても、それまでの話を全否定はできないほどに、序盤ー中盤の展開がすごく面白い。

1巻はじっくりと、平和な日常を描き(ZQNはチラみせ)、2巻からゾンビハザードが始まります。この「じっくり展開」も漫画ならではで良かった!映画ではこの演出はできないですものね。

読み返すと、終盤以外はやっぱり面白いです。

(私は、ラストも妄想が膨らむので好きです。時折、電子版を読み返してます)

なので、

読む価値は大アリ!!

と言うことは声を大にして言いたいです!

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夫が感想「漫画「アイアムアヒーロー」(全22巻完結・そして完全版の最終話265話)を読んだ※超ネタバレ」で265話を読んだ感想を書いてますので、こちらもどうぞ。

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漫画好き夫婦の感想ブログ「遊星からのブログX」です。お絵描き好きの妻(カイミ)と、オタク第二世代&こじらせオタクな夫(BW・ぶらっくうっど)、猫2匹と暮らしています。語りたくなる漫画・映画等のおすすめ作品と、iPad、PC便利グッズなどをご紹介していきます。
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